昨日は日本が休み。それだからというわけではないが、為替相場は小動きだった。先週の金曜美にドル円がやや利食い類で先行したので、それが尾をひいて昨日も重い展開となった。欧州株、米国株も一時期のラリーの様相は終了したようで、もっぱら利食い売りの姿勢が強まった。
リスク回避になったというわけではないが、リスク性の高いものである代表の原油価格が2日連続での大幅安となった。米ロ会談が行われて、その中でロシアは石油の増産で協力し、アメリカは戦略備蓄を放出することを示唆した。それが目先の需給のダブつき感を誘った形での原油安だ。もちろん短期的にたまった70ドル台からの投げ売りも続出している。
トランプ大統領の10日ほどの外遊が終わった。順番としてNATO会合に出た後にロシア会談だったのだから、これまでだったら軍事同盟の内部でしっかりと意見を固め、それを強力にソ連に向けるというのが通常の姿であろう。
またそうしないとそもそも軍事同盟を結んでいる意味がない。それなのに今回、目立ったのはNATO内部での見解の相違だ。そして感情的なものもあるのだろうが、首脳間の不仲である。
ドイツではメルケル首相に軍事費を4%まで上げろとか、ロシアにお金を回しているだけだと、さんざんに悪口をたたいた。フランスの大統領も苦言を呈している。イギリスに行っても、今、政権運営で困っている名首相のフォローをすることはせず、「イギリスはイギリスだから、自由にやれ」みたいなことを言って突き放している。
そこへ持ってきて昨日のロシア会談だ。プーチン大統領には必要以上に遠慮しているように見えるのは、私だけだろうか。そういえば北朝鮮との会談でも、トランプ大統領の卑屈な姿勢がうかがわれた。
あまりアメリカ以外のことには興味がないといえばそれまでだが、NATOもWTOもNPTも脱退すればいいのだ。そうすればなぜこんな寄り合いが必要なのか、遅まきながら気がつくであろう。しかしそれをしないのが国際政治というものなのだが。
米中貿易問題とトランプ大統領の外遊が終わって、大きなイベントに欠ける状態となっている。今晩はちょっと動きづらいかもしれない。ドル円も112円台の中でのボックス圏か。
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