昨日は早朝に対中制裁の内容が出てきて、それがかえってマーケットに安心感を与える形となった。最初のアクションとしては、素直にリスク回避の流れとなった。グローベックスの米国株も下げ幅を拡大し、ドル円も下げてきた。
しかしその下げ幅は極めて小さいものだった。とくに下げの勢いが感じられない。ドル円は111.65あたりまでは下げたが、そこで踏みとどまった。それは日本株の方が早くも底値圏から脱出し、高値追いし出したからだ。
そして少し遅れて米国株も値を戻してきた。これでリスク許容度の増大が確認された。ドル円は112円台まで戻してきた。私としてはリスクテークの方向には懐疑的ながらも、私もドル円をロング攻めで開始した。あまり多くは望んでいない。簡単に取れるのならば、10ポイントくらいでも構わない。
すぐには上がらなかった。アゲインストになることはなかったので、あんまり耐える機会はなかったが、東京クローズのあたりでようやくドル円が上がってきたのである。日本株は大幅上昇しているのに、ドル円はなかなか上げきらない。これでは今後はドル円でロングポジションを作りにくいなと思った。
南北会談は3日間行われるということなので、昨日はセレモニーだけにとどまった。それでも会談をしていると言うだけで、中身に前進がなくても、地政学的リスクが減退していると考えたい態度が増えてきているように思える。
海外市場ではいっそうのリスクテークが進んだ。米国株は再び史上最高値にまで接近し、そのためドル金利は上昇。10年ものの利回りは3.04%台まで上がってきて、これは昨年来の高水準である。金利上昇によって、ドルは全面高に。
ドル円もユーロドルも、ドルの高値引けしている。これは中国からの報復関税の対象が600億ドルの輸入分に収まったからである。それによる損害はそれほども大きくはならないだろうという見方。
今晩はその回復したリスク度が維持できるかどうかが注目点である。アメリカの株価指数の代表であるS&P先物は、昨日のラリーで今年の最高値、つまり史上最高値と並んだ。そして今も高値近辺にステイしている最中だ。
これが上値追いできるようだと、ドル金利はさらに上がってしまい、短期金利も長期金利も数年ぶりの高いレベルまで来ることになるだろう。そうなるとドル相場の一段高は避けられず、ユーロドルの1.14台入りやドル円の113円台を目指す動きが促進されることになる。
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