週明けの月曜日は日本と中国が休みだったので、マーケットの動意は薄い。しかし週末に中国がアメリカとの交渉をキョゼルしているという報道が成されたことで、リスク回避の方向で始まった。動きがないまま海外市場にシフトしていったが、ドラギ総裁のインフレ発言でユーロが急上昇する局面があった以外には大きな動きはなかった。
注目は国連総会に合わせてニューヨークに集まってきている首脳会談に移っている。日米の貿易協議が1日延期されるというハプニングが起こったが、それがどのような思惑を引き起こすのか。今日のマーケットの材料になるだろう。
ところで足下で貿易戦争が起こっているが、これは言うまでもなくGDPの押し下げ要因であり、物価の上昇が消費者マインドも冷やす。ファンダメンタルズ的にはリスクテークしているどころではないのに、現実は米国株などは9月に入ってからも史上最高値を更新してきたりしている。
日本株も実体がない割には日経先物が24000円台を目指す動き。そしてBREXITがハードなものになるかもしれないと危惧されているイギリスの通貨も、それほどもクラッシュしていない。
要はマーケットの悪材料を完全に無視して見ないことにしているのだ。相場に反応が現われてこない以上、すなわち株価の下落や通貨の下落が見られないので、誰も考慮しなくても良いと思いたいのだろう。
しかしよく考えてみれば2001年の飛行機が落ちたときも、2008年のリーマンショックのときも、市場に現われるまで1年以上もかかっているのが事実だ。2001年のときは確かに米国市場が1ヶ月ほど停止した。しかし12月には早くもテロ以前の水準まで株価は持ち直している。
日銀の介入もあってドル円は115円割れから、一気に130円台まで吹き上がった。それでもファンダメンタルズの低下は避けられず、アメリカ主導の戦争が近づくにつれて、1年以上も遅れてマーケットは激しいリスクオフにさらされた。
2008年の時も同様で、端を発したのはサブプライムローンである。これは2007年の2月にグリーンスパンが指摘したものだ。それから夏場にかけて欧州の銀行などで損失を計上することもあったが、一時的なリスク回避でとどまった。市場参加者も固有の問題として起きたかったのだろう。年が変わって米系の金融機関に損失が出だしても、ショックはそれほどもなかった。
ベアスターンズは破綻したが、公的資金で救済されたのである。市場はますます安心感からリスクテークに走り、夏には原油価格は140ドル台へ、ユーロ円は160円台を記録した。世界的に株価も高いまま。
それで訪れた9月のリーマンショック。リーマンは救済されなかったのである。何もファンダメンタルズは変わっていないのに、サブプライムを問題視しての魔女狩りが始まった。だからこれも市場の反応を見るまでには1年半もかかったことになる。
市場が混乱に陥るのがいつなのかはわからない。しかしかなり遅れてでも、やはりファンダメンタルズに従わないといけない時期がやってくるのだろう。
日本時間 15時00分
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