先週の金曜日のアジア時間では、中国株が大きく反発した。それが市場の安心感をもたらした。この勢いがツラれる形で日本株も上昇。リスク許容度の回復が、ドル円を底堅くもした。
ドル円は朝がたの112円割れ寸前のレベルから、112円台の中盤まで上がってきた。しかし動きが鈍いのは10月に入ってからみられる特徴である。プライスアクションにまったくダイナミックなものが感じられない。
欧州市場ではイタリアの予算問題が懸念されていて、ユーロが安い。今日もユーロはした攻めかとみ見て私も何回かユーロドルを売り込んでみたのだが、あんまり差し込まなかった。ユーロドルの安値は1.1435あたりまでで、ニューヨークオープンが近づいてきたので、私もユーロのショートはあきらめることにした。動かないものは仕方がない。
ニューヨーク市場では大きくリスクテークで始まった。米国株も急伸し、ドル円やユーロ円も値上がりした。しかしニューヨークのランチタイムを過ぎたあたりから米国株は崩れ始めた。
ハネウエルはグローバルに展開している会社ではあるが、そこが中国での売り上げの鈍化が鮮明になってきたと述べたのだ。それでマーケットのセンチメントが一気に冷え込んだ。米国株はそれまでのゲインをすべて吐き出すことになって、ドル円の上昇も限定的なものとなった。
今週は米企業決算もたくさん出てくるが、マクロ指標の注目としては金曜日のアメリカのGDPがあげられる。前の四半期は4%台の経済成長を見せたこともあって、今回はどうなるのか関心を集めざるをえない。
とくにドルの長期金利が高止まりしている現状では、さらなる一段高があるのかどうかはGDPにかかっているといってもよいであろう。長期金利の上昇に弾みがつくようならば、ドル相場も一段高するだろう。ユーロドルは今年の最安値をうかがうだろうし、ドル円は再び114円台への道をたどることになりそうだ。
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