昨日はアメリカの中間選挙の開票速報に一喜一憂の展開だった。アジア時間に開票が始まって、はじめはリスクテークとなったが、東京クローズにおいてはリスク回避の動きが鮮明となってきた。日本株も前日比でマイナス転してしまっている。
それは下院で民主党が過半数を取るのが確定的となったからだろう。少なくとも現政権であるトランプ大統領にとってはアゲインスト。だから今後の政権運営もこれまでのようには行かないだろうという見方だ。
ドル円も113円台の後半だったものが、激しい値動きを示しながらも113円台の前半まで落ちてきた。欧州時間に入っても基本はリスクオフ。アメリカの材料でもあるので、ドル安という側面が強い。ユーロドルも1.15台に乗せてきたが、ドル円も113円台を割り込んできたりもした。
しかしこうした流れはニューヨーク勢が参入してくる時間帯が近づいてくると変わってきた。グローバルセッションでの米国株が急激に値を飛ばしてきたのだ。最初のうちはまだ本物なのかどうか疑わしかった。ついて行っていいものかどうか、疑心暗鬼。それゆえドル買いの動きは最初は鈍かった、
だが実際に米国株などが始まってみると、やはりリスクテークとなった。民主党が圧倒的に買ったわけでもないということが、かえって市場に政権継続の安定性を感じさせたようだ。それまでのドルの全面安から一転して、ドルの全面高となってきた。
選挙を控えて米国株は大きく上げて、選挙の終わりを迎えて大きく値を戻してきた。10月に今年の最高値をつけて、その後に10月下旬まで大きく下げたのである。その位置を確認しておこう。米国株の代表であるS&P先物ではどうか。高値は2944ポイントであった。
そこから2603まで急落したので、その半値戻しは2773ポイントだということになる。昨日のニューヨーククローズは2816だったので、米国株は半値戻しを達成したことになる。一方で日本株。代表は日経先物であり、高値は24480円だった。
その後の押しが20790円だったので、半値戻しは22635円である。日本株のほうはまだ半値まですらも戻し切れていない。この半値戻しのラインが当面の目標のは間違いないところだろう。
今晩はアメリカの金利会合があるが、まったく何も期待されていない。12月利上げは完全に織り込まれているが、今月は動くはずもない。見るものがあるとすれば、声明文だ。
とくに利上げのペースに関する文言には多少の注意を払っておきたいところだ。トランプ大統領に遠慮して利上げのペースを緩めるような意見が出てきたならば、その内容いかんによっては今後のドル安につながる可能性があるからだ。
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