昨日はアジア時間にややドル円が上がってきて、113円台の後半で欧州時間を迎えた。そしてユーロドルは依然として重い動きだ。今度はいつ、1.11台に突入してもおかしくはない状況。それだけユーロドルの戻しが少ないのだ。
ユーロドルの1.1300割れのインパクトが大きかったということだろう。1.1300はかなり粘ったので、その分だけ膿がたまっていると考えられる。ユーロドルの下値ブレークに関して、普通にテクニカルなどで語られる方法を真似てみたい。
今年のユーロドルの高値は1.25台だったので、そこから1.13台まで1200ポイントの下げ。それを同じ値幅の動きが期待されるというのがテクニカルの要請だ。つまり次は1.01台まで落ちても驚かないということ。
しかし世の中は値段が下がるときは、不思議とこのような論法を持ち出さないのである。もちろん上がるときと下がるときとでは絶対的な値幅で動くのではなく、比率で動くのだということを意識しないといけないのだが、それでも下値のメドを語っていないものが多いのは、まだお上重視の完成相場になれきっているからだろうか。
ユーロドルが1.01台まで落ちて、ドル円がそのままだったら、計算上はユーロ円は115円台まで下がることになる。そういう水準を考えたくもないということなのだろう。
ともかくも今週になってからのユーロドルの下げはマーケットに対してすっきりさせるものをもたらしたわけで、これでユーロ絡みの通貨ペアのボラティリティの上昇も期待できるのかもしれない。そのユーロも、昨夜はポンドの上昇にともなってツラレ高することとなった。
EUとイギリスが事務レベルで暫定合意に至ったという報道がなされたからだ。ポンドドルは200ポイント級の上げを演じているのだから、同じ欧州通貨としてユーロも買われざるをえない。
昨日のニューヨーク時間では米国株は高値攻めをして始まったが、原油価格が大幅安となって、それが石油関連株を押し下げることとなって、マーケット全体がリスクオフとなった。しかし最終的にはクロス円はそれほども下げきったわけでもない。
今朝がた、少しユーロドルに買いが入って1.13台に乗せてきたりしたが、これはあくまでも短期的なショート・ストップの域を出ないものだ。ユーロドルとユーロ円はスタンスを変えずに戻り売りで臨みたいと考えている。
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