先週の後半はアメリカの感謝祭のこともあって、市場参加者は少なめだった。したがってマーケットも動きの鈍い状態が続いて、株価も大きく乱高下することはなかった。それでも週の安値圏で終えることになったことに変わりはなく、週を通じて押される展開となった。
外部環境は一向に変化することはなく、BREXITの問題やイタリアの予算案などでも顕著な進展は見られなかった。金曜日はドル円は30ポイントほどしか動かなかったが、ユーロドルは100ポイント近くも落ちた。
動かないことを期待されていただけに、良く下がったものだという感じがする。欧州序盤に発表されたドイツの景況指数が予想を下回ったからだ。ドイツのGDPはEU域内の4割以上を占める。だからドイツ経済は重視される。
そもそもECBが12月までに量的緩和をストップさせると言っているのだから、そうしたタイトニングの作業にも影響を与えるかもしれないということになる。そろそろ減速が心配されていた欧州経済だけに、景況感の悪化はユーロ金利も先安感を免れない。
同様にアメリカの景況指数も、予想よりも悪かった。しかし感謝祭の狭間だったこともあり、為替相場には影響が限定的だった。ドル円もユーロドルもドル高レベルでニューヨーククローズを迎えることとなった。
今週は経済イベントが少ないが、週の後半はG20での米中の会合などに注目が集まることになろう。中国側は140項目を超える改善ポイントを提出したというが、アメリカ側の見方でが肝心のところが抜け落ちているらしい。
それをトランプ大統領がディールでまとめてみると言っているが、これもどうなるかわからず、市場の不安材料である。もちろん期待する分も出てくるだろうから、相場は大きく上下に振れやすくなることが見込まれる。
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