昨日はアメリカの金利会合であるFOMCだった。今回の利上げは完全にあるものとして市場に織り込まれているが、問題は来年以降がどうなるのかであった。そのためにも出てくる声明文の変化などから、利上げのペースを読み取ろうとすることに注力された。
結果としては、来年は年に2回の利上げということに収まったようだ。これは先行きを楽観視していないのだということを意味する。中国や欧州などの不安要素に加えて、実際の足下の景気が減速していることを指摘するものであった。
景気は良いままであってほしいと願っていた投資家にとって、それはちょっとハト派すぎる見解に思えた。虫の良いことに最近の株価の軟調さは金利上昇のせいにしたいと思いたいのである。それが成長やインフレ率にまで踏み込んだ。これがマーケットに不安を与えることとなった。
FOMCの発表の直前までは米国株は堅調に推移していた。前日も大幅に下落を演じているのに、どうしてここまでリスクテークするのか不思議でならなくなるくらい買いまくった。為替相場はずっと小動きで、ドル円は112.30を中心にずっとずっと停滞している。
そこへ持ってきてパウエル議長のスピーチとなったのだ。株価は反転して大きく下落した。そして米国株は今週につけていた安値をも下回ってくる勢いとなり、それはニューヨーククローズまでおさまらなかった。ドル円も112.60あたりまで発表後には上がったのだが、リスク回避のポーションでじわりと下落。112円台の前半まで下がってきたのである。
要するに為替相場は小動きだったし、また値動きにダイナミックさもなかったのである。でもFRBの姿勢がちょっとわかったことで、ドル買いの積極的な材料はなくなったのだから、これは来年一年に向けてのスタンスを与えることになりそうだ。
目の前でドルがドカンと落ちないものだから説得力に欠けるが、ファンダメンタルズ面からもこれまで年4回を織り込んできていた分のドルのポジション調整が図られることになるのだろう。
ダウが900ポイント、S&Pが100ポイント落ちたのだから、相関的には日経先物は1000円くらいは落ちてもよいはずで、20000円の大台すらも割り込んで構わないのである。しかし昨日のナイトセッションでは500円くらいしか落ちていない。
外部環境からはもっと下ってもいい日本株であるが、これも日銀期待という側面もあるのだろうか。下げるのを躊躇していた。昨日のFOMC前後でのドル売りは貫徹できなかったが、今日の東京時間では素直に売っていくことができた。どうせそのうち日本株も下げ幅で追いつくだろうと見たからである。きっとそれは日銀の会合が契機を与えるのだろう。
そして実際に今日の午後からは日本株の下げもきつくなってきた。ドル円は112.52で売って持っていたのだが、なんとか112円割れまで耐え抜きたいものである。今晩の米国株もこれで下げ止まったわけではなく、続きのリスク回避を見たいところでもある。112.50でストップ買い戻しに設定しておいて、あとは家宝は寝て待ちといきたいものだ(笑)。
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