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モーサテ御意見番・中島厚志氏に聞く(2)
米ドル/円を動かすのは金利差ではない!?

2019年03月08日(金)12:00公開 (2019年03月08日(金)12:00更新)
ザイFX!編集部

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「モーサテ御意見番・中島厚志氏に聞く(1)驚きの「1ドル=82円」予想の真相とは?」からつづく)

■メインシナリオでは、年末にかけて100円を目指す

 中島氏が試算した2019年の基準レートである1米ドル=110円というシナリオは、以下の4つの条件を前提として計算されている。

(1)内外経済が緩やかな回復を継続して日米株価とも緩やかに上昇
(2)抑えられたリスク(VIX指数20)で、米中貿易摩擦の一層の深刻化がない
(3)FRBの利上げは0回
(4)WTI原油価格は1バレルあたり50ドル

 要するに、為替相場を動かす大きなリスク要因がなく、株価も原油価格も安定しているという相当穏やかな前提条件だ。

 このため、ひとたびなんらかのリスク要因が現実化すれば、大きなブレが発生することになるが、中島氏は「2019年に想定しうるリスク要因のほとんどが円高要因で、円安を引き起こす出来事は予想しづらい」と指摘する。

 米中貿易摩擦に加え、ブレグジットの行方、欧州各国の政治不安、日米欧や中国の景気減速など、2019年はリスクオフ要因が目白押しだ。

 年末が近づくにつれ、翌年(2020年)に控える米大統領選も意識されるため、トランプ大統領がお得意のパフォーマンスで市場をかき乱してくる可能性もある。また、景気対策としてインフラ投資を加速すれば、米国の財政赤字が膨らむ。

写真は前回の大統領選挙で演説するトランプ大統領。中島氏は、年末が近づくにつれ、トランプ大統領がお得意のパフォーマンスで市場をかき乱してくる可能性もあるという (C) Chip Somodevilla/Getty Images

写真は前回の大統領選挙で演説するトランプ大統領。中島氏は、年末が近づくにつれ、トランプ大統領がお得意のパフォーマンスで市場をかき乱してくる可能性もあるという

(C) Chip Somodevilla/Getty Images

 「これらの要因を考え合わせると、2019年の標準的な予想レンジとしては、110円の基準値から10円程度の円高が進むというシナリオを立てています。現状の110円近辺が2019年の米ドル/円相場の天井で、年末にかけて100円を目指していくイメージです」

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:Bloomberg)

 100円という水準には別の根拠もある。OECD(経済協力開発機構)が算出する購買力平価(PPP)が、100円程度(2018年12月)となっていることだ。

 購買力平価とは、2国間の物価上昇率の比率から計算された為替レートのこと。この水準は目先の節目としても意識されやすいという。

OECDが算出している購買力平価(PPP)
OECDが算出している購買力平価(PPP)

(出所:Bloomberg)

■2019年の米ドル/円相場を動かすのは、金利差ではない

 教科書的には、米ドル/円相場を動かすのは日米の金利差だと説明されることが多い。これが本当なら、FRBが4回もの利上げを実施した2018年は米ドル高がかなり進行する年になったはずだ。

 しかし、現実の2018年の米ドル/円相場は、歴史的に変動幅の小さい年となった。中島氏は、金利差が為替相場にもたらす影響は小さくなっていると指摘する。

 「過去5年のデータを見ると、もっとも米ドル/円相場への影響が大きいのは日米の株価です。2番目が原油価格で3番目がVIX指数。金利差が出てくるのはようやくその次なんです。私は2019年の米利上げはないと予想しているので、金利差が意識されることもほとんどないとみています」

金利差が為替相場に与える影響は少なくなっていると中島氏は指摘する

 ちなみに金利といえば、中島氏は2016年1月の日銀のマイナス金利導入を的中させた数少ない人物ということは冒頭でも紹介したとおり。そんな中島氏は、今後の日銀の金融政策についてどう見ているのだろうか。

【参考記事】
年始早々、モーサテで超円高予想が炸裂!? 2019年の米ドル/円は82円まで下落もある?
日本経済新聞が事前に報道! 日銀のマイナス金利導入は察知されていたのか?

 「日銀はマイナス金利を変えるということはないと思います。国債の大量買い入れについては、計量分析すると、当初は景気にも為替にも有効でしたが、今は、景気にも為替にも効いていません

 現状、日銀の国債買い入れ額は減ってきていますが、景気にも為替にも効いていないのであれば、買い入れ減額の影響はないと理解しています」

写真は日銀の黒田総裁。日銀の国債の大量買い入れについては、計量分析すると、現状、景気にも為替にも効いていないので、買い入れ減額の影響はないとの見解を中島氏は示している  (C)Bloomberg/Getty Images

写真は日銀の黒田総裁。日銀の国債の大量買い入れについては、計量分析すると、現状、景気にも為替にも効いていないので、買い入れ減額の影響はないとの見解を中島氏は示している  (C)Bloomberg/Getty Images

 リーマンショックから10年が経過し…

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