FOMCの結果が判明して、量的引き締めの停止も発表された。それでドル金利は短期も長期も低下した。それを素直に反映する形で、FOMCの直後から1時間でドル安が進んだ。ドル円で1円幅ほどの下げだ。
私はFOMCの前から111.58でドル円のショートを持っていたが、このポジションはオーバーナイトで持ち越すことにした。買い戻すだけの相場の戻しもなかったし、また米国株も急激に安値攻めをしだしたからだ。
昨日は日本が休みだったが、自分がポジションを持ったままなので呆然とみているわけにもいかない。グローベックスセッションでは依然として米国株は安い。リスク回避の動きが強まっていたのは、米中協議での進展が危ぶまれたからだ。
トランプ大統領が中国と合意できても成果が見えるまでは関税を引き下げないと発言したからだ。高関税が継続するということは、その分だけ企業のコスト増である。すぐにでも関税が元通りになるだろうと見込んでいた連中からすれば、現状の変更がないというのは見込み違いであったろう。
欧州時間に入ってもリスクオフの流れは変わらなかった。ドル円は110.30あたりまで差し込んだが、結果的にはニューヨーク序盤の経済指標の発表までの動きだった。経済指標は大して重要なものではなかったのだが、マーケットは流れの反転時期欲していたのだろう。
経済データがいずれも予想よりも良かったことをうけて、米国株は安値圏から脱してきた。またドル円やユーロ円も目先の底を打った。指標の出る前にはドル円は110.65あたりが戻しの最大値であったので、110.70テークンでやめようと考えていたら、まさしくその通りになった。
せっかくオーバーナイトで持ち越して、アジア時間と欧州時間でも我慢して持っていたのに、結局は前日のニューヨーククローズのレベルと同じようなところで買い戻すこととなった。まったく労力の無駄となっただけである。しかし利益を追求したのだから仕方があるまい。
ドルの金利的な側面からはドルを売り込んでいって問題はないのだろうが、残るはリスク許容度だけである。高い株価がドル円、ユーロ円の下支えとなっているのですんなりとドルが下がっていかない。
今晩はドイツやアメリカでの景況指数が出る。米中問題やBREXITでムードが暗くなっていることを織り込んでいて、予想はあまり高いものが出ていない。これらが契機となってリスクオフになるようであれば、そこがまたドル売りのタイミングとなるだろう。
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