昨日は世界的に金利低下の流れとなった。欧州序盤でのドラギ総裁の発言のなかで、利上げを延期がさらに先延ばしになりそうだという観測が強まったからだ。米ドルの金利も急低下。
それがマーケットの不安をあおることとなった。そんなに足下の景気は悪いのか、ということだ。欧州株の下落に続いて、米国株も安値攻め。リスク性に敏感なクロス円は全面安の展開となった。
今日の朝がたにはイギリスのメイ首相が離脱案が通れば辞任するとの速報が出ていた。バリューデイトが変わる薄い時間帯だったのでトレードをするのは後ろ向きの姿勢になるところなのだが、とりあえずポンドを売ってみた。
実のところ、これはポンドの売り材料なのか、買い材料なのかはわからない。EU離脱が前進すると考えるのであれば、それは前向きに捉えられなければならない、少なくとも「合意なき離脱」からは遠ざかることではある。
私の感覚としては、ついに来るところまで追い詰められたな、という感想である。合意なき離脱を画策するのは当然のこととして、議会と折り合いがつかない以上は離脱を延期するにしても、政治的に起こせるアクションは限られている。
民主的な手続きで国民投票をやったのだから出てきた結果は不満でも重視する必要があり、再投票をするというのは現実的ではない。それでは同じく民意を問うということで下院を解散するかというと、それは政府の都合で議会解散はできなくなってきているという世界の潮流に反することになる。
解散できるのは不信任案が通過したときくらいで、自分の所属する党派に有利なように適宜、解散しているのは、今となっては日本だけである。もはや首相の専権事項でも何でもないのだ。すると残るは内閣の総辞職しかない。それで自分の首をかけての法案通過を狙った今回の行動だとも見られるのだ。
切羽詰まった段階での決定だから、私は前向きには捉えたくない。弱体化した政府の進めるEU側との交渉にも、相手が額面通りに受け取ってくれない可能性も出てくる。要するに今後は政治的な不安定さが顕著になってくるかも知れないということだ。
ポンドドルは1時間ほどで100ポイントほど落ちた。いったんは利食い買いを施したが、もうちょっと様子見をしながら、またポンド売りで励んでみたい。アジア時間を通じてリスクオフの流れが鮮明になってくれば、その際にはドル円でのショート攻めでもよいと考えている。
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