昨日はアメリカの経済指標で良いものが並んだ。とくに雇用保険は50年ぶりくらいの良さとなった。失業率を見てもわかるように、アメリカとしてはすでにほぼ完全雇用の状態を達成している。
だからここから雇用データを意識しても経済的にはあまり意味はないのだが、それでもマーケットをリスク面から支えるには十分な材料である。米国株は今年の高値近辺で値崩れせずにレベルを維持した。
ドル相場も全面高となった。ドル円は完全に110円台の底値圏から脱し、111円台のミドルを越えてくる。ユーロドルも下がり気味。それでも激しい動きは見られない。私も何度かドル円を買ってみたのだが、買ってからがぜんぜん進まない。ほとんど同値での売買しかできておらず、まったくの骨折り損であった。
昨日は夜中にワシントンで米韓会談があったが、内容は予想通りだった。「3回目の首脳会談もやる気あり」と表明するための場だったようだ。やる気があるだけであって、いつやるのかはわからない。韓国の大統領の顔を立てただけだという見方もある。
憶測を呼んだのは、米韓首脳の二人だけの会談はなく、夫人をともなった食事会か、米閣僚も同席の集団会合だけしか予定されていなかったということである。トランプ大統領が「おまえはどちらのほうを向いているのか」という質問をして、踏み絵を踏ませたらたいへんだと言うことだ。
そういう問いを出させないために、二人きりの時間をなくしたのではないかという憶測だ。それくらいに米朝関係は進展していないのであり、成果を焦るトランプ大統領としては強硬姿勢に転じても不思議ではないということだ。
今晩からアメリカの企業決算が本格化する。この半年は中国との貿易問題や米政府のシャットダウンなどで、少なからず経済に影響が出ていることは無視できない。それが軽微だったことを確かめにいくのが今シーズンの決算発表だと位置づけられている。
あまり軽視していると、意外なことは起こり始めたときに対処できない。しかも日本の長期連休も控えているので、企業決算の前半戦も、慎重に見極めていかないといけない。
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