昨日もニューヨーク時間のコアタイムでは目立った動きがなく、終盤の30分での仕掛け的な株買いが出て終わった。これらのポジション積み増しの動きは、言うまでもなくECB会合に的を絞ったもの。だから今晩の金利会合の結果によっては、一気にそうしたポジションのリクイディトが起こる可能性がある。
そうした中、今日になって朝の8時半前にトランプ大統領が、10月1日発動分の追加関税を2週間ほど延期するという決定を下した。これは昨日の中国側から示された適用除外リストに対する反応と見られた。
それをうけてマーケットは急速にリスクテークに傾いた。グローベックスでは米国株が急上昇し、S&P先物は史上最高値に急接近。日経先物も21800円台まで急伸。ドル円は108円台を回復したりしてきている。
今晩はECB会合である。金融緩和を期待されているが、市場価格の反応だけをみると最近の1週間で進んだことは、金利の上昇とそれに伴うドル高である。そして株価も大きく切り上がってきている。3つのリスクファクターの中でドル高と金利高はこれまでの極端な緩和期待の反動だとすると理解できるが、株高だけが浮いて見える。
その分だけECBの会合終了と、その後のドラギ総裁の会見を通じて、起こりやすいと考えられるのは、株価でのリスク調整であろう。リスクオフとなっても、その程度がどのくらいのものかはわからない。しかし株安の流れが鮮明になってきたならば、市場全体がリスク回避の姿勢も強まって金利安とドル安が引き起こされそうだと考えるのが順当なようだ。
私もドル円など、できるだけ引きつけてショートで勝負をしたいところだと思っている。はっきりとレベルで指定できないのは、相場水準というよりもタイミングが重要だからである。
できればドラギ総裁の発言が始まる直前まで、ポジションの仕込みは遅らせたい。場合によっては下がりだしてから売りだすことになっても、それは仕方のないエントリーの仕方だと納得するしかない。
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