昨日はユーロドルがスルスルと上がった。これはちょうど前日のユーロドルの下げかたとよく似ている。時間はかかるが、一方的に動くというもの。昨日はその反動も起こったのだと見られる。ポンドドルも再び1.25台を目指す動きとなっているが、ドルが全面安というわけでもない。ドル円はアジア時間から堅調であり、サウジの情勢にもかかわらず、リスク回避で値崩れすることもなかった。
今夜はFOMCである。7月に「予防的」な利下げを行った後のFOMCである。今回も25ベーシスポイントの利下げを行われるというのがマーケットのコンセンサスになっている。今回も利下げするのだったら、いったい何のための予防だったのかと疑いたくなる。
しかしながら、トランプ大統領の圧力に屈したのを認めたくはないのだろう。それだけ株価や雇用環境など、ファンダメンタルズ面からは利下げを続ける根拠が薄弱だからである。
ところで直近の流れをみると、先週からドル金利の大きな巻き返しが起こった。短期金利では40ベーシスポイント以上もドル金利が上がってしまっているのである。さすがに行きすぎの観はあった。
それだと年内に75ベーシスポイントも利下げを竹刀といけないからだ。9月に50ベーシス、12月に25ベーシスを織り込もうとしていたのだ。そこからドル金利が反発してきたといっても、依然として年内は50ベーシスの利下げは見込まれている。
FOMCでの金利発表よりも、パウエル議長の会見のほうが注目に値する。追加利下げの正当性をどのようにフォローするのか。もっと大事なのは次の利下げも示唆するのかどうか。
ドル金利の動きとしては、今は金利低下の分をやり過ぎており、そのポジション調整のほうの勢いが強い。だから今後の利下げを強力に主張しない限りは、反動によるドル金利の上昇は起こりやすいものと考えられる。
よってドル相場もどちらかというとドル上昇のバイアスがかかりやすいと見ている。ましてや利下げ打ち止め感のあるコメントでも出そうものならば、たとえ勘違いであっても、ドルの急伸はありうると考える。
そういうわけでドルロングのスタンスで構えるべきというのが教科書的な意見だが、ドル金利がさらに下げに向かうような状況がなかなかイメージしにくいというのも事実なのである。
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