昨日はFOMCであった。事前の予想通りに25ベーシスポイントの利下げだった。ただ直後に発表された声明文のなかで明らかになったのは、未だにFRBの内部で金融政策に対するスタンスで意見が分かれているということだ。
ドットプロットなどは平均を取っても意味はないのだが、利上げを主張するメンバーもいたことで「平均では年内の利下げなし」ということになった。これは連続利下げを見込んでいたマーケットにとっては、ややタカ派的に映ってサプライズもの。ドル金利は上昇に向かい、そして米国株は下げ足を速めた。
このような反応を見せてしまうのも、パウエル議長が市場との対話を明確にしていないからだろう。ドルの短期金利が年内に75ベーシスポイント分の利下げを織り込んだ時点で、何かの講演のときに「そんなことはない」などと否定の見解を示すべきであった。
これはグリーンスパン議長やバーナンキ議長などもやってきたとおりの、マイルドな修正方法である。それができないでいるから、トランプ大統領の圧力に屈したものと言われるのである。
FOMC後の記者会見では、今ひとつ、連続利下げの正当性が説明されていなかった印象を与える。それでも10月利下げにも含みを残したことが好感されて、米国株は終盤に値を回復させた。
株価だけが依然として期待先行で動いているのに対して、為替相場のほうは比較的に素直にドル買いとなった。FOMCに至るまで徐々にドル買い圧力は高まってきていたのだが、パウエル議長の会見が続いている間も多少のフラクチュエーションはあったにしても、ほとんどドルの下げるような局面はなく、ずっとドルの高値追いが続いた。
ユーロドルは1.10台の前半までドル高が進み、ドル円も108円台の中盤でほぼ高値引けとなっている。そして今日は、日銀の金利会合であった。何もしないということがコンセンサスなのに、午前中にリスクテークが進んだ。
日本株が短期筋の仕掛け的な買い上げで、不必要なまでに上昇。政策発表後には、その反動が出た。ドル円も107円台にまで沈んできた。これでドル円の上値を買っていくことはできなくなった。私もドル円の戻り売りをしたいと考えている。
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