昨日は東京オープンでの日本株は大きく上昇していた。これは期末の配当取りの間際によくみられる傾向であり、権利落ちしたら経済的効果的にはまったく意味がないとわかっていても、株買いに走るのである。そして実際に目に見える日経平均株価よりも日経先物12月限のほうが180円ほど安いときている。
どうしても取引できるほうの日経先物が安く見えてしまい、ついお得感から買ってしまうのである。それがにわかに相場を支えているという側面もある。そういうわけでリスクのあり様を測りにくい。この配当取りによるミスプライスになりやすい状態は、水曜日の終わりまで続き、木曜日の朝には解消される。
つまり、朝いちには勘違いを含めた日本株の買いが集中し、日経平均株価を不当に200円近く上がってしまう可能性をはらんだ状態が続くということ。株券の配当権利落ちは日本株に限らず、米国株にもドイツ株にもあるのだが、こんなバカなことが平然と起こっているのは日本だけであろう。
テレビなどに出ている評論家は平気で「配当取りのため」などと解説したりすることもあるが、投資家のサイドからすると何の利益もないのだから配当スルーはできれば避けたいところのはずである。
そうはいっても現実からは免れられない。私はドル円を売ろうと考えていたのだが、そうした無用なリスクテークも出てくるので、若干の注意を要する。こんなはずでは、といって我慢してはいけないのである。朝からのドル円の高値は107.65あたりまでだった。
そこで目標をその辺にすえ、待ち構える。午後になって107.63で売るには売れたが、なお堅調であった。日本勢の少なくなった海外市場で期待するしかない。ドル円はしばらくは下がらなかったが、ニューヨーク時間に入ってからようやく下がってきた。
今週は国連外交が活発になる時期である。トランプ大統領も演説したが、内容が中国批判に傾いた。またニューヨーク時間の午後には、ペロシ下院議長が大統領の弾劾手続きも進めるということになって、マーケット全体がリスクオフに傾いた。私はドル円を107.43で買い戻してしまっていたのだが、107円台を割り込んでしまうほど、意外な深押しとなった。
今日も東京時間ではリスクオン、海外時間ではリスクオフの展開となることが予想される。テクニカル的にはドル円、ユーロ円が安値張り付きしているので、戻りは鈍そうである。しかるに戻り売りを狙いたいと言っても、適度な戻し場がないことを見込んでいたほうが無難だ。突っ込み売りも辞さない姿勢で、臨むんだほうがいいだろう。
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