昨日のマーケットは総じてリスクオン。欧州序盤ではトゥスク大統領がツイッターで、イギリスのEU離脱を1月末まで延期することをこと承認したことを発表したし、ニューヨーク序盤では米中協議の合意文書の作成が順調に進んでいることが報じられた。そしてついに米国株のベンチマークであるS&P指数が史上最高値を更新してきた。
リスク性の高いものの象徴である米国株が上抜けしてきたことで、もうちょっとドル円やユーロ円にも上伸に弾みがつくのかと思われたが、実際の値動きはそれほどでもなかった。確かに腰は強いし、リスクオンの状態なのは明らかなので、値下がりはしない。
腰は強いままである。しかし一気に跳ね上がるということがないのだ。ドル円はやっとのことで109円台にも乗せてきたという感じだった。ちょっと安易にロング攻めでついていけない値動きとなっていた。
勢いのあったのはニューヨーク時間の午前までで、最高値を更新した後の米国株の動きは実に鈍いものとなった。しかし高値圏で値を維持していることには変わりはない。FOMCや雇用統計も控えている。
したがって発表前に積極的にポジションを利食い売りして解消しようという動きも出にくい。しかし株式相場の出来高が異常に少ない分だけ、これが空中戦なのかどうかは今晩の資本市場を見てみるしかない。
とにかく為替相場での値動きのダイナミックさが乏しい。ドル円でいえば109円台からはテクニカルなレジスタンスもいくつか並んでいるのも事実なのだが、それにしても勢いがない。相場には熱狂感は見られない。熱狂がないから、必死になって損切りしていこうという高値追いの動きもない。
イギリスのEU離脱や米中貿易戦争の沈静化で、リスク相場の動向を確かめにいく局面が期待されるところだ。今晩は動きにくいかもしれない。明日のFOMCの結果が出るまでは、待ちたいところだからだ。今回のFOMCでの予想はきれいに分かれている。10月利下げがあるとするものと、それはないとするもの。それが若干の不透明さをかもしているからだ。
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