昨日は昼間に出た中国の経済指標がとても悪かった。とくに投資家の心理を冷やしたのは、固定資産投資の悪化だった。いずれ不動産バブルは潰れるだろうと言われ続けて、すでに久しい。リーマンショックや貿易戦争でも衰えなかったのだ。市場はもはや鈍感になりつつあったところだ。
それが20年来の悪い数字だということで、市場はリスクオフに傾いた。日本株も下落したが、ドル円も重さを加えた。ドル円には108.50アンダーにもたくさんのビッドが並んでいるらしいというので、ここから突っ込んで売っていくのはためらわれた。
そして昨日の注目はドイツのGDPだった。前回がマイナス成長だっただけに今回もマイナスだったらリセッションだということになる。事前の予想はゼロだったのだから、予断を許さない。結果はプラス0.1%だったが、実質的にはリセッションと変わりはない。
それでも瞬間的にマーケットはリスクテークに向かって動いた。ドル円も下げ止まりはしたものの、高値追いをしていくほどの強さはなかった。臨時的なショート勢をメクリ上げただけだったようだ。
ドル円が上がっていかないのは、中国政府が「合意には関税の一部撤廃が必要」コメントしたことで、それではまだ関税撤廃の話しは煮詰まっていないのだな、ということになったからでもある。つまり合意にはちょっと遠いのではないかという不安感がもたらされたのである。昨日はドル円よりもユーロ円のほうが指向性をもって下げていた。
私は寝入ってしまったが、ニューヨーク時間ではドル円は108円台の前半まで押し込まれることとなった。108円台ミドルのビッドは完全に飲み込んだのである。朝見たドル円のレベルは108.40あたりだったが、自分の想定外の低いレベルだった。
そして朝から東京市場ではリスクテークが先行している。グローベックスでの米国株は史上最高値を超えてきており、そのまま高値張り付きの状態を維持している。はたしてこの水準が米国株の本来の動きと違った空中戦に終わるかどうかが、欧州時間にかけての注目点だろう。
米企業決算の一巡したが、今晩はマクロ指標がいくつか出る。なかでも小売売上高などは重要な部類だが、果たしてそれらが現在の高水準の株価の裏付けとなって支援材料となるかどうか。場合によってはドル円をショート攻めした方が有効かもしれない。
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