昨日の注目は原油相場であった。前日に満期を迎える原油先物が、マイナスまで行ってしまったことで市場は少なからず混乱を来している。価格にマイナスもありかということになると、すべてを見直さなければなくなるからだ。
デイトレードのような値上がり値下がりだけを追いかけている分にはマイナスでも構わないのだが、中長期投資のポートフォリオに組み込んでいるようなファンド形式のものだったら放置することすら許されないからだ。
そうした金融マーケットの不安定さの中、やはり株価などのリスク性の高いものは原油価格の上下動に左右されることとなった。20ドル近くでアジア時間を終えた原油先物の6月限だったが、これでも年初来の安値水準だ。
それが欧州時間に入るとあっさりと20ドルの大台を割り込んできた。ドル円も下がる理由はないのだが、積極的に買うべき理由もないので重い足取り。あまり動きに激しさがないので、私としても手が出しづらい。
ニューヨーク時間になるとトランプ大統領が石油会社向けの支援を考えているとか、OPECが来月初旬にも会合を開催するとか報道が流れたが、原油価格の軟調さを止めることはできなかった。
ニューヨークのランチタイム以降に原油価格が10ドルを割り込んできた。安値は6ドル台まで突っ込んだが、為替相場には不穏な動きは見られなかった。ドル円もユーロドルも大台を変えることはなく、狭いレンジに終始したと言えよう。
今晩も経済指標や企業決算はまったく無視されることになるだろう。当面は原油相場のチョッピーさがマーケットをリードしそうだ。ただドルを中心とする為替相場にはあまり影響が出てこないので、ちょっと残念。まあ米国株がモロにリスク回避に動いたりすれば、何かやりようもあるのだが。
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