■バイナリーオプションとは?
「バイナリーオプション(BO)」とは、将来の為替レートが目標レートより上か下かなどを予想するシンプルな金融商品です。取り扱いがあるFX会社などで専用口座開設すれば、取引することができます。
バイナリー(binary)は、もともと二進法を意味する言葉。二進法は「0」か「1」の二者択一で数を表す方法で、コンピューターの情報処理の分野に広く用いられています。
いくつか種類はあるのですが、その名に二進法を意味する「バイナリー」を冠した金融商品・バイナリーオプションも、単純に言うと、提示された条件を「達成する」か「達成しない」かを予想する二者択一の取引ということができます。予想が当たれば利益が得られ、外れたら損失となるのです。
たとえば、バイナリーオプションでもっとも一般的な「ラダーオプション」の場合、取引対象が米ドル/円であれば、目標レートより円安になるか円高になるかを予想し、どちらか一方を選択して購入する、というのが基本的な取引の流れとなります。
以下の図は、米ドル/円のレートが目標レートより円安になった場合を表したもの。
(出所:GMOクリック証券【外為オプション】)
これは、初心者にもおすすめのバイナリーオプション口座であるGMOクリック証券【外為オプション】のパソコン版取引画面です。
判定時刻の米ドル/円のレートが目標レートより円安となったため、「円安」ボタンに大きなマルがつきました。
この「円安」のバイナリーオプションを判定時刻の前に購入していれば、一定金額の利益が出たことになるというわけです。
【目次(もくじ)】
■バイナリーオプションのメリットとデメリットは?
・ メリット1:数十円~1000円程度で始められる
・ メリット2:損失額が限定的
・ メリット3:相場が動かなくても収益チャンスがある
・ メリット4:塩漬けポジションが存在しない
・ メリット5:ほぼ24時間取引できる
・ デメリット1:利益が限定的
・ デメリット2:購入金額がすべて損失に
・ デメリット3:決済のタイミングが自分で決められない(途中決済はできる)
■バイナリーオプションの種類
・ 主流のラダーオプション
・ レンジオプション
・ タッチオプション
・ 株価指数バイナリー、商品バイナリー
■バイナリーオプションのメリットとデメリットは?
バイナリーオプションのメリットとデメリットは以下のとおりです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
・ メリット1:数十円~1000円程度で始められる
バイナリーオプションの購入金額は、相場変動や時間の経過などによって揺れ動くのですが、バイナリーオプションを扱う多くのFX会社では、取引単位あたり数十円~1000円程度に設定されています。
(出所:GMOクリック証券【外為オプション】)
FXの場合、米ドル/円が100円で推移していると仮定して、1000通貨を買うのに必要な証拠金は4000円です。この点、バイナリーオプションの場合は、数十円~1000円程度あれば取引を始められますから、FXよりもさらに少額からの投資が可能ということになります。これなら、初心者の方でも気軽に始めることができるのではないでしょうか。
・ メリット2:損失額が限定的
バイナリーオプションを購入するには取引単位あたり数十円~1000円の金額がかかるわけですが、予想がはずれた場合、その購入金額分がそのまま損失となります。
バイナリーオプションの場合、FXなどと違って、相場が自分の思惑と反対に動いても、損失はドンドン膨らむわけではなく、購入金額に限られるのです。損失が限定されているため、リスク管理しやすいのがバイナリーオプションのメリットと言えます。
一方、相場が思惑どおりに動いて予想がヒットすると、取引単位あたり1000円など、あらかじめ決められた金額がペイアウトされます。そのぺイアウト金額から購入金額を引いた金額が利益となるのです。
(出所:GMOクリック証券【外為オプション】)
・ メリット3:相場が動かなくても収益チャンスがある
FXやCFD、株式などの場合、相場が大きく動けば損益の幅も大きくなりますが、相場が落ち着いた動きになると損益の幅も小さくなります。
この点、バイナリーオプションは、目標レートより円安になるか円高になるかなどを予想し、当たれば利益、外れれば損失という取引スタイルですので、損益の大きさに、相場変動の大きさはまったく関係ありません。
どれだけ相場の動きが小さくても、変わらず利益を狙うチャンスがあるわけです。これは、バイナリーオプションが持つ魅力の1つと言えるでしょう。
・ メリット4:塩漬けポジションが存在しない
バイナリーオプションの取引開始から判定時刻までの時間のことは、「回号」と称されることが多いのですが、1回号は基本的に2時間以上に設定されています。
取り扱い会社のなかには、ものによって3時間や約1日といった、比較的長い時間が設定されているケースもありますが、一般的には2時間に設定されているものが多い印象です。

(出所:FXプライム byGMO【選べる外為オプション】)
ちなみに、取引は、判定時刻の2分前など直前まで行うことができます。

(出所:FXプライム byGMO【選べる外為オプション】)
そして、バイナリーオプションでは、判定時刻を迎えると、必ず予想に対する結果が出て取引が終了します。
FXやCFD、株式などでは、ポジションや銘柄の持ち越しができますので、損失が膨らんでしまった場合、決済するタイミングを失った塩漬けポジションが出来上がってしまう可能性がありますが、判定時刻を迎えれば必ず取引が終了するバイナリーオプションには、塩漬けポジションは存在しません。
短時間で決着がつくというのも、バイナリーオプションのおもしろい点ですね。
・ メリット5:ほぼ24時間取引できる
バイナリーオプションの取引時間は、各社によってバラつきがありますが、基本的には日本時間午前中から翌日早朝までで、回号の数は1日10回前後です。
1日のうち取引できないのは数時間だけで、ほぼ24時間取引できます。
日中の仕事が忙しい方も、家に帰ってからじっくりとバイナリーオプションに取り組むことができるわけです。
・ デメリット1:利益が限定的
バイナリーオプションの利益は、予想が的中した際に支払われるペイアウト額から購入金額を差し引いたものに限られます。
FXやCFD、株式などでは相場の変動次第で大きなリターンが狙えることを考えると、相場変動の大きさにかかわらず利益が限定されている点は、バイナリーオプションのデメリットと言えるかもしれません。
バイナリーオプションの購入金額に対して、ペイアウト額が何倍で返ってくるかを「ペイアウト倍率」で表しますが、ペイアウト倍率は、基本的に約1倍~20倍で提供されていることが多いです。つまり、そのぺイアウト倍率以上の利益は出せない、ということになります。
(出所:GMOクリック証券【外為オプション】)
・ デメリット2:購入金額がすべて損失に
バイナリーオプションの利益はぺイアウト金額から購入金額を差し引いた金額に限られるため、より多くの利益を得るためには取引数量を増やすことが必要になります。
どのくらいの取引数量かにもよりますが、たとえば、バイナリーオプションの購入金額が数十円の時には、取引数量を増やしても、そう大きな金額にはなりません。しかし、購入金額が1000円近いときに取引数量を増やして予想が外れた場合、それなりに大きな金額を1回で失うことになります。
取引数量を増やす際には、予想が外れても大きな打撃とならない程度に調整する必要があるでしょう。
また、取引数量を増やすといっても、無限に増やせるわけではありません。会社ごとに1取引あたり、1日あたりといった形で取引数量に上限が設定されていることにも留意しましょう。
・ デメリット3:決済のタイミングが自分で決められない(途中決済はできる)
バイナリーオプションの取引時間は最短2時間程度であるため、塩漬けポジションができないというメリットがある半面、相場の動向は関係なく、判定時刻を過ぎたら必ず取引が終了しますので、当然、その判定時刻より後で決済することはできません。決済のタイミングを自分で決められないのは、デメリットと言える場合があるでしょう。
ただし、取引開始~判定時刻に至るまでの取引時間内なら、自由に決済することができます。
(出所:GMOクリック証券【外為オプション】)
上はGMOクリック証券【外為オプション】で、判定時刻に米ドル/円が107.78円未満ならペイアウトされるバイナリーオプションを365円で1枚購入してから、しばらく経ったときの状況です。
購入後に予想どおり、米ドル/円は下落方向(円高方向)に動いてくれましたので、このバイナリーオプションは現時点では購入額よりも大きいペイアウト額724円で売却することができます。
米ドル/円がここから上がると売却時のペイアウト額は下がります。そして、最終的に107.78円以上で判定時刻を迎えれば、購入金額がまるまる損失となります。
もし、そうなる可能性が高いと予想するのであれば、判定時刻を待たず、ここで売却してしまうのもひとつの戦略です。現時点で売却すれば購入金額を差し引いても359円の利益が出ます。
逆に、米ドル/円がさらに下がると売却時のペイアウト額も上がります。利益の上乗せを狙って、売却をもう少し待ってみるのもアリです。
もちろん、判定時刻に米ドル/円が107.78円未満になると確信できれば、途中売却をせず、判定時刻まで待ってペイアウト額満額(ここでは1000円)を狙うことも可能です。
■バイナリーオプションの種類
・主流のラダーオプション
バイナリーオプションにはいくつか種類があります。その中で、もっとも一般的なものは、先にも紹介した「ラダーオプション」です。ラダーオプションは、目標レートよりも、上がるか下がるかを予想する取引。
(出所:GMOクリック証券【外為オプション】)
上は先ほどと同じく、GMOクリック証券【外為オプション】で、判定時刻に米ドル/円が107.78円未満ならペイアウトされるバイナリーオプションを365円で1枚購入した状況です。
赤い点線内で縦に並んでいるのは権利行使価格。権利行使価格というのはオプション用語のひとつで、簡単に言ってしまえば目標レートのこと。
その権利行使価格がはしご(ラダー)のようにたくさん並んでいることが、「ラダーオプション」という名称の由来となっています。
・レンジオプション
次に、「レンジオプション」。
レンジオプションとは、判定時刻の為替レートが、ある一定の値幅に収まるか、外れるかを予想する取引のことです。
(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン【バイトレ】)
上はゴールデンウェイ・ジャパン(旧FXトレード・フィナンシャル、略称:FXTF)の「FXTFバイナリー・トレード」、愛称【バイトレ】の「バイトレレンジ」、豪ドル/円の取引画面です。
この例でいくと、判定時刻に豪ドル/円が70.887円~70.947円の値幅に収まると予想すれば「レンジイン」を購入します。逆に、70.887円~70.947円の値幅に収まらず外れると予想するなら、以下の「レンジアウト」を購入するのです。
(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン【バイトレ】)
レンジオプションは、どのバイナリーオプション取り扱い会社でも取引できるというものではありませんが、今のところ、ゴールデンウェイ・ジャパン【バイトレ】のほかに、トレイダーズ証券【みんなのオプション】、YJFX!【オプトレ!】で取り扱われています。
【参考コンテンツ】
●国内バイナリーオプション会社を徹底比較! 人気があって初心者にもおすすめの会社は?
・タッチオプション
「タッチオプション」とは、判定時刻までに為替レートが一度でも目標レートに到達(タッチ)するか、しないかを予想する取引のこと。
ゴールデンウェイ・ジャパン【バイトレ】では、ラダーオプションやレンジオプションに加えて、タッチオプションに相当する「バイトレタッチ」も取引できます。
(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン【バイトレ】)
上は英ポンド/米ドルの「バイトレタッチ」ですが、判定時刻までに一度でも1.22175ドルにタッチすると予想すれば「タッチ」を購入します。逆に、判定時刻までに一度も1.22175ドルにタッチしないと予想すれば「ノータッチ」を購入するのです。
(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン【バイトレ】)
タッチオプションは以前、IG証券【FXバイナリー】などで取引できたのですが、現在は、日本のFX会社でタッチオプションを取り扱っているのはゴールデンウェイ・ジャパン【バイトレ】だけとなっています。
・株価指数バイナリー、商品バイナリー
当記事でここまで紹介してきたバイナリーオプションは、いずれも為替を対象にしたものでしたが、株価指数や商品先物を対象にしたバイナリーオプションも、一部の会社で存在します。
たとえば、GMOクリック証券では同社の株価指数CFDである日本225や米国30を対象にした株価指数バイナリーオプションを展開しています。また、IG証券では世界各国の株価指数に加えて、WTI原油先物、NY金先物といった商品先物を対象にしたバイナリーオプションが取引できます。
為替以外を対象にしたこのようなバイナリーオプションは少数派ですが、興味がある方は、チェックしてみるとおもしろいかもしれません。
■おすすめのバイナリーオプションは?
ザイFX!では「国内バイナリーオプション会社を徹底比較! 人気があって初心者にもおすすめの会社は?」という記事で、日本のFX会社が取り扱っているすべてのバイナリーオプションを継続的に調査・比較しています。
【参考コンテンツ】
●国内バイナリーオプション会社を徹底比較! 人気があって初心者にもおすすめの会社は?
従いまして、バイナリーオプションの詳しいスペック比較などについては、「国内バイナリーオプション会社を徹底比較! 人気があって初心者にもおすすめの会社は?」でご覧いだだきたいのですが、本記事では冒頭にも触れた、初心者におすすめのバイナリーオプションとして、GMOクリック証券【外為オプション】を取り上げておきたいと思います。
GMOクリック証券【外為オプション】の取引対象通貨ペアは、米ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円、ユーロ/米ドルの5通貨ペア。購入金額は約50~999円でペイアウト額は1000円です。ラダーオプションのみの取り扱いとなっており、シンプルでわかりやすいサービスという点で人気があります。
そして、特筆すべきなのは、GMOクリック証券【外為オプション】の取引画面の見やすさです。
(出所:GMOクリック証券【外為オプション】)
上はGMOクリック証券【外為オプション】のパソコン版取引画面ですが、権利行使価格を挟んで赤色と水色が配色され、非常にシンプルで見やすいものとなっています。
また、GMOクリック証券【外為オプション】では、iPhoneでもAndroidでもWEBブラウザからログインして使える「iClick外為OP」という取引ツールが提供されており、スマホ対応もバッチリです!

(出所:GMOクリック証券【外為オプション】)
以下は「iClick外為OP」の取引画面(右側)とチャート画面(左側)ですが、取引画面はパソコン版とよく似た作りとなっており、スマホの限られた画面でもサクサク取引ができます。

(出所:GMOクリック証券【外為オプション】)
チャート画面は黒を基調としたシックなデザインで、テクニカル指標も充実。トレンド系は単純移動平均線やボリンジャーバンドなど7種類、オシレーター系はMACDやRSIなど6種類を表示でき、パラメーターの調節も可能です。
また、チャート上に直接トレンドラインなどを描画できるなど、機能性も抜群! スグレモノです。GMOクリック証券【外為オプション】なら、初心者の方でも安心して利用できるのではないでしょうか?
■無登録海外業者にご用心
バイナリーオプションは、金融商品取引法(金商法)上の店頭デリバティブ商品に該当する金融商品ですので、日本のユーザーを対象にバイナリーオプションの取引サービスを提供するには、金融商品取引業の登録を行う必要があります。
けれど、公式サイトやカスタマーサポートが日本語に対応しており、明らかに日本のユーザーもサービス提供の対象にしていそう…(?) だけど、金融商品取引業の登録をしていない海外のバイナリーオプション業者が存在します…。
ウェブ上で検索すると、ハイローオーストラリア/HighLowとかザオプション/the optionなどといった海外業者がすぐにヒットしますが、これらはいずれも金融商品取引業の登録は行っていない業者です(2020年5月27日現在)。
そんな無登録の海外業者に対し、金融庁は警告などを行っており、個人投資家に対しては、トラブルに巻き込まれる可能性などから契約しないよう呼びかけています。
過去には、国民生活センターで、海外業者による出金拒否や口座解約拒否に関する相談が急増したこともありましたし、海外業者が詐欺っぽい怪しい話に登場したことも…。
【参考記事】
●8カ月で約400件も相談! 海外バイナリーオプションで出金拒否などの問題多発!
●オプザイルと個人投資家がツイッター上で戦争! NHKからザイFX!に取材が…!
ザイFX!で紹介しているバイナリーオプションができる会社は、すべて日本の金融商品取引業に登録している会社です。上述のようなトラブルが報告されているため、海外バイナリーオプション業者についてはまったくおすすめしていません! 投資は自己責任ではありますが、会社を選ぶ際は、みなさんもご注意ください。
【参考コンテンツ】
●国内バイナリーオプション会社を徹底比較! 人気があって初心者にもおすすめの会社は?
■バイナリーオプションの税金・確定申告
最後に、バイナリーオプションの税金について、簡単にお伝えします。
バイナリーオプションの利益は、雑所得として扱われます。一律20.315%(※)の申告分離課税ですので、一定以上の利益が出た場合は、自分で確定申告する必要があります。
(※本来は所得税15%・住民税5%で一律20%だが、2013年~2037年は、所得税に対して、さらに2.1%の復興特別所得税が課されるため、期間中の税率は所得税・住民税合計で20.315%となる)
また、損失が出た場合でも確定申告しておくと、翌年以降3年間で発生した利益から繰り越した損失分を差し引くことができる「繰越控除」という制度が利用できます。本来、損失が出ている場合、確定申告自体は義務ではありませんが、繰越控除を利用したい場合は、必ず確定申告が必要です。
そして、バイナリーオプションはFX、CFD、日経225先物、日経225オプション、商品先物などと同じく、「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」の対象となる金融商品です。確定申告の際に、これらの金融商品の損益と合算する「損益通算」が可能となっています。
対象となる金融商品を取引している場合は、忘れずに損益通算を行うようにしてください。
【参考記事】
●【2020年版】FXの税金・確定申告を解説! パソコンやスマホからさくっと申告できる
(ザイFX!編集部)
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