EU復興ファンドの資金の割り振りでもめている。これは十分に想像されたことであるが、週末に結論を出す予定だったものが、合意できずに困窮している。オランダ、スウェーデン、デンマークなどが融資の比率をもっと上げろと主張しているのに対し、他は返さなくてもいい給付分を減らしたくはないという。
ドイツはその間に挟まって明確な立場を表明できないでいる。総額は決まっているのだから、あとは比率をどうするのかという政治問題だけなのである。
これまで復興ファンドの活用を好感してユーロは買い進まれてきた。ユーロドルは1.08台や1.09台だったものが、1.14台まで伸ばしてきて、なおも上値を伺っている。
これはユーロ円も同じであって、114円台を底にして、10円近くも上がってきている。だからここ1両日で出されるであろうEU内での結論は、ユーロ相場を振り回しそうだ。
事の発端がコロナ感染だから、あまり時間をおいてゆっくり合意を得るということはできないはずである。対策は早急を要する。その上でEU参加国が合意できるのは、もう少しだけの給付枠の減額か。
ともかくも決定を見たら、ユーロは一段高できるのかどうか。それとももう織り込み済みだと言うことで、かえってユーロの利食い売りが急がれることになるのか。大いに注目である。
日本でも混乱が起こっている。GoToキャンペーンだ。22日にスタートするというので週末にかなりの目安らしきものが打ち出されるのかと思いきや、何も進展していない。むしろ「埼玉と東京に住んでいる人がいっしょに旅行したら受けられるのか」などといって様々なケースが適用可能かどうかで紛糾の度合いを深めている。
そもそも旅行需要の衰える9月からスタートでもよかったはずなのだが、どうしても夏休みから適用したかったようだ。またオリンピックが延期になったのに連休だけはそのままなので、それに合わせたいようだ。つまり政治日程が先に来て、健康や経済のことが中途半端に扱われてしまう結果を招いている。
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