昨日は週明けのアジア時間でリスクテークが進んだが、ニューヨーク時間ではリスク許容度が後退した。ニューヨーク時間の後半になって株価が下げるのは、先週の金曜日に続いてのことだ。これはオプションなどのポートフォリオから来る構造的な売りのようである。
昨日もニューヨーク時間では為替相場は小動きだった。ユーロドルは欧州時間でポップアップしたものの、ニューヨーク時間ではドル円と同じくほとんど動かず。
マーケットに膠着感が強まってきているのも、いよいよ米大統領選が近づいてきたからでもあろう。そこでトランプ政権下でのドル金利の推移を振り返っておこう。
前回の大統領選挙時には、ドル金利は利上げモードの最中であった。イエレン議長が任期の終盤でレギュラライズの一環として利上げに転じたからだ。2018年の中盤までにはドルの政策金利は2.25%まで段階的に引き上げられた。
米国株高による裏付けもあったので、誰もが正当なものだと考えていた。しかし当のトランプ大統領本人が、ツイッターなどでFRBの金融政策を非難し、もっと金利を下げないのが元凶だみたいなきつい言い方もしはじめた。
政権にすり寄ったと見られたくはないFRBであったが、それでも米中摩擦の予防的利下げとしょうして75ベーシスポイントの利下げを行った。そしてコロナ感染で経済打撃ということで、さらに150ベーシスポイントの電撃利下げをも敢行。ついにゼロ金利にまで到達したのである。
一方でドルの長期金利のベンチマークは、10年債の利回りである。前回の選挙当時の水準は2.0%を若干、下回るレベル。これがトランプ氏の当選後はリスクテークがかさんで、2.6%台まで吹き上がった。その後もトランプラリーと名付けられるほどの米国株の堅調さにともなって、3.2%台まで上昇。
しかしこの辺りからトランプ大統領の利下げ圧力が強まってきた。米中貿易摩擦で市場の不安度が増したりもして、長期金利は1.4%台まで低下。そして今年に入ってからのコロナ感染で一気に0.3137%まで急低下した。言うまでもなく史上最低の金利水準。
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