先週の後半から資本市場のリスクの変化は、時間的にパターン化してきている。ニューヨーク時間は米国株が高めで推移し、そのまま高値追いの展開となるのだが、ニューヨーククローズの1時間前ほどからは大きな売りものにさらされ、大幅に急落する展開。
そしてすぐに始まるアジア時間の早朝でのセッションでは、グローベックスで米国株は大きく切り上がるのだ。そのまま東京市場に入り、リスクテークの流れは欧州時間まで継続するというもの。
このひとつの理由には、米議会での追加対策の合意の状況が絡んでいる。ニューヨークオープンまでは今日こそは合意に至るではないかと、期待だけが先行。そしてニューヨーク時間の午後になっても何も出てこなかったら、「今日もダメか」ということで取り過ぎていたリスクの調整が起こる。
しかしアジア時間では当事者からの発言を拾ってきて、それで再び合意するのではと言う根拠のない期待だけがマーケットを支配して、それが株高を演じているという感じである。
東京時間では日本株は高い水準をやるしかチャンスがないわけで、日本株は割高に放置されているとは言え、それを身ながらのドル円のショート攻めはしにくい状況が続いている。
そうしたリスク循環のなかで、ドル円は膠着状態を続けている。しかし一方でユーロは欧州時間にレベルを切り上げている。ドル円が動かない分だけ、ユーロ円やポンド円といったクロス円が値上がりしている。
今晩は大きな経済指標はない。ニューヨーククローズ後にテスラの決算発表があるくらい。しかし最近はハイテク大手といえども、それはマーケットの流れを変えるような事は少なくなってきているようだ。市場はすでに大統領選の結果を見てしまいたいという思惑でいっぱいなのだろう。
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