先週の金曜日はバイデン政権での財政支出の内容が公表されたことで、それに対するマーケットの反応を確かめたい一日となった。すでに米国株を始め、世界各国の株価は大きく伸びきっており、景気対策への期待は完全なほどまでに織り込まれてしまっていたからだ。リスク許容度に敏感な原油価格も53ドル台まで伸びてきて、いかにもカネ余りを象徴している。
為替相場ではリスク性に敏感といえばクロス円である。とくにユーロ円も127円台まで伸びきっており、それがちょっと行き詰まっている感じだ。一段高するにはさらなる外部要因の好材料が必要となるところだが、ここ両日は上値が着実に重たくなってきている。
むろんユーロ円ではここまで上がってきてしまったのだから、買い遅れ感も強い。したがって下がっても買っておきたいというビッドも強いはずだ。だからそう簡単には下げるスピードは上がらない。
金曜日からは米企業決算が本格化した。まずは金融大手ということで、JPモルガンやシティ銀など。それらはいずれもアナリスト予想を上回る利益を確保した。一方で経済指標もたくさん出た。景気を見るのに最適だとされる小売売上高は予想を下回り、PPIも低め。ニューヨークの景況指数も振るわなかった。
これらを受けてということでもなかろうが、米国株は下げ幅を拡大してきた。どちらかというと財政支出に関する材料出尽くしというほうが妥当だろう。それにともなってユーロ円も下落。
ドル円はほとんど動いていなかったので、ユーロドルが下げを鮮明にしたことになる。ユーロ円は125円台の中盤まで押し込まれることとなった。まだ米国株の相場がベア転しているわけではないので、ユーロ円が下げトレンドに入ったとみるのは時期尚早のようだ。
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