イギリスのGDP速報値が出て、ポンドが利下げの対象にならないのではないかとの観測が強まった。そしてポンド買いが進んだ。それ以前に1.38台をやった後の押し目を形成していた途中だったので、なかなか上値は重たいものと思われた。それまで1.38台で買ってしまった人びとの逃げのオファーが出てくると考えられたからだ。
しかし実際にポンドが上がってくると、そうでもなかった。激しく飛んで値上がるということはなかったが、ポンドは堅調に推移した。それだけポンドのブルな姿勢には自信を持っているということだろう。
ドル円は105円台に乗せることはあったが、これはここ最近のレンジの上限近くなのでテクニカルに基づいたオファーが出やすい。そして実際のマーケットでもそうなった。米国株が史上最高値を更新していく中にあっても、ドル円は105円台を持ちこたえることができなかった。
ユーロドルも最終的にはドル売りに押された形となったので、ポンド以外はすべて発射台のレベルに戻ったことになる。
先週は米国株が上がりっぱなしの状況となった。追加の財政措置が進捗するのではないかとの期待が高まり、コロナバブルの度合いを強めたのである。そして出てきたインフレ指標も決してインフレ高進を示すものではなく、ドル金利が落ち着いているのもサポート要員となった。一方で日本株も先週は上がりっぱなしといってもよいだろう。月曜日に日経先物は29000円台に乗せてきて、その後は29670円の高値をつけるまで、大きな押し目を作らずに来ている。
今週はアメリカでも経済指標のたくさん出てくる週だ。それら個別にいちいち反応はしないだろうが、リスクの取り過ぎの反省がいつ出てくるともわからず、警戒が必要である。
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