昨日はリスク動向と長期金利に振らされる一日となった。アジア時間では米長期金利の一服感が出た直後でもあったので、総じてリスクテークが先行した。日本株も大幅に上昇し、ドル円が106円台まで回復。そしてクロス円も上げペースを速めた。ユーロ円は130円に触りそうなところまで上伸し、ポンド円も150円台に乗せてきた。
ニューヨーク序盤の経済指標はおしなべて良いものが並んだ。それを素直に反映しただけではないのだが、ドルの長期金利の上昇が目立ってきた。米国株はそれを嫌気して小安く始まったのだが、大きく値が崩れるということはなかった。
しかしブラード総裁が今年のインフレ上昇を示唆した。これは他のFEDメンバーの統一見解からは一歩、踏み込んだものだった。いずれインフレ方向にコメントも軌道修正されるだろうと見ていたマーケット参加者も俄然、米国債の下げを助長するように動いた。
米債相場下げ足を速め、入札が不調だったときが一層の投げ売りを醸し出した。10年ものの利回りは1.60%台まで急上昇し、それがリスク資産を直撃した。米国株は激しく調整を強いられた。
ドル円は106.40あたりをトップにして小動き。一方でユーロドルはチョッピーな動きとなった。ニューヨーク序盤に1.2240あたりまで買い上げられたが、その後の債権下落の過程ではドル買いが強まり、1.2165あたりまで押し戻されている。私はドル円のロングで勝負をしていたのだが、思ったほどうまく取れなかった。
今日も長期金利の行方が気にかかるところだが、みんなが注目しだすと動かなくなるものである。注意は払っておくが、それ以外の材料には乏しいことから、不必要な相場への手出しは危険だろう。積極的に手を出してよいのは、再び米国債の相場が崩れだしたときか。そのときには最初のアクションとしてのドル高が期待できる。ユーロドルでも売ってみようかと考えている。
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