昨日は欧州時間でECB筋からの見解で、PEPP資金の追加投入はなさそうだという話しが伝わった。つまり追加の金融緩和で、債権の買い取りなどは増額しないということだ。市場が緩和姿勢を期待していたわけではなかったが、これはユーロの金利高要因だ。欧州債が少なからず値を下がる過程で、ユーロも買い上げられた。
ユーロドルは1.21台に乗せてくる局面もあったが、それはあくまでも短期筋によるショートカバーの範囲にとどまった。マーケットはユーロがタイトニングにシフトするとは見なしていないということだ。
また一方でIMFでもマイナス金利の深掘りについて前向きな意見が示されたことで、世界的な金融緩和は継続されそうだとの認識を新たにしたようだ。ユーロドルは50ポイント以上も下落し、1.20台のミドルまで押し込まれた。
そうした金利動向の不透明さは米国債にも波及した。ニューヨーク序盤では10年ものの利回りは上昇し、1.50%に迫るところまで上がってきた。これが再び資本市場に不安を与える形になって、米国株は上値の重い展開を強いられた。
ドル円の動きはドルとしてユーロドルとほぼ同じような動きをした。ドル円は107円台に乗せてきはしたものの、買い戻しのストップ注文はたまっていないようで、まったく値段は跳ねない。米国株が安いのでリスクオフとしてユーロ円が下がりそうなものなのに、129円台をキープしているので、それに絡んだ円売りのフローも相当数出ていたようだ。
昨日は米国株の押しが意外に強かったので、今日の注目はやはり米長期金利の行方となろう。そんななかパウエル議長の講演も注目を集めているが、10年ものが1.5%を越えてくれば、再度のリスクオフとなりそうだ。昨日は手が出なかったが、今日はユーロ円でも売り込んでみようと思う。
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