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 本日、2021年3月11日（木）で、東日本大震災からちょうど10年になります。依然として、ふるさとに帰れない人も多くいらっしゃいますし、福島原発は、今も汚染水がたまり続けている状態です。日本中の人が、この惨事を忘れないようにしたいものです。

■米長期金利上昇で、米ドル/円は109円台へ

 さて、前回のコラムでは、米国の長期金利が今後の相場展開を左右する、という話をしました。そのうえで、米ドル/円のロング（買い）ポジションや、豪ドル/円のロングポジションを推奨しました。

【参考記事】
●米ドル/円の押し目買いに安心感！ 米長期金利が上昇してもしなくても下値は堅い（3月4日、今井雅人）

 それから1週間の相場動向を振り返ってみますと、まさに、米国の状況が外国為替市場にも大きな影響を与える状態になっています。

 米国の長期金利（10年物国債利回り）は、1.5％を抜けるかどうかがポイントだと言いましたが、前回のコラムを書いたあと、すぐに1.5％を超える展開になりました。

米長期金利（10年物国債利回り） 日足

（出所：TradingView）

 米長期金利の上昇を受け、外国為替市場では主要通貨に対して米ドル高が進み、米ドル/円も一気に109円台に駆け上がりました。

ドルインデックス 日足

（出所：TradingView）

米ドル/円 日足

（出所：TradingView）

 その後、米長期金利が伸び悩んだことから、米ドルはやや反落するという展開になっています。

■米国は、他の国よりも早く正常化へ

 米長期金利の上昇要因は、ワクチンの普及と、バイデン政権による巨額の経済対策によるものであることは、前回のコラムでお話ししましたが、ワクチンについては、すでに1億人近い人が接種を終えています。

【参考記事】
●米ドル/円の押し目買いに安心感！ 米長期金利が上昇してもしなくても下値は堅い（3月4日、今井雅人）

 ＣＤＣ（米疫病対策センター）は、「新型コロナウイルスに対するワクチンを接種して2週間以上たった人同士なら、屋内でマスクをせず、ソーシャルディスタントも気にしないで交流できる」という指針を発表しています。

米疫病対策センターが発表した指針の一部

（出所：米疫病対策センター）

 米国は、イスラエルや中国を除いては、他の国よりも早く正常化していく可能性が、益々、高くなっています。

■給付金の約4割が株式投資に!?

 また、バイデン米大統領が打ち出した、総額1兆9000億ドル（約200兆円）の経済対策も上院を通過し、下院でも3月10日（水）に可決されました。バイデン米大統領が、3月12日（金）にも署名する予定となっています。

バイデン大統領が提案した総額1.9兆ドル規模の経済対策は下院でも承認され、3月12日にもバイデン大統領の署名をもって正式に成立する見通し (C)Scott Olson/Getty Images News

 その中身のうち一番注目されているのは、高額所得者を除くほとんどの国民に、1人当たり最大1400ドル（約15万円）が支給される政策です。

 大手の金融機関によると、このうちの約4割が株式投資に回るのではないか、という予想が出ています。

 株式投資に回すお金を政府が支給するのか？ と、やや疑問も感じないわけではありませんが、株式市場には好材料になることは間違いありません。

ＮＹダウ 週足

（出所：TradingView）

■米ドル/円は近いうちに110円へ達する動きに

 そうしたことを受けて、今度は株高・円安の流れも、ジリジリと続いています。

 こうした状況を総合して考えると、やはり今、一番安心感があるのは、米ドル/円のロングポジションだという結論になります。

 米ドル/円も、近いうちに110円に達する動きになるのではないかと思います。

【参考記事】
●米ドル/円の押し目買いに安心感！ 米長期金利が上昇してもしなくても下値は堅い（3月4日、今井雅人）
●新年度入りに向け、米ドル/円は大幅上昇の可能性！ 米長期金利は2％超えもあるか（3月10日、志摩力男）
●ゲームチェンジとなった米ドル/円を買い！ 「羅針盤」が示す米ドルの先行きとは？（3月8日、西原宏一＆大橋ひろこ）

米ドル/円 週足

（出所：TradingView）

■資源国通貨は、益々の上昇が見込めそう

 また、ワクチンの普及が進むにつれて、世界経済全体が好転していくとともに、グローバルな人の交流も戻ってくると思います。

 そうなると、資源価格は上昇してくことが予想され、豪ドルなどの資源国通貨も、益々の上昇が見込める、ということではないでしょうか。

【参考記事】
●豪ドル/円は、85円がもう視野に入った！ クロス円での円安傾向は今後も続きそう（2月25日、今井雅人）
●豪ドル/円の下値は、かなり堅いと見る！ 長期保有目的で買いポジションをキープ（1月15日、今井雅人）
●豪ドル/円は、80円台あたりで下げ止まるか。短期的な下げは長期での買い場になりそう（3月2日、バカラ村）
●豪ドル/円は、短期目標の90円に向け続伸！オセアニアがグローバルな景気回復を先取り（2月25日、西原宏一）

豪ドル/円 週足

（出所：TradingView）

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