■異常な金融緩和で麻痺した市場
日本でも、新型コロナウイルスの感染拡大が激しくなってきました。そうした状況を受けて、東京都をはじめとして、11の都府県に緊急事態宣言が出されました。
普通の感覚で考えると、こうした厳しい措置が発令されれば、日本経済にとってのマイナスの影響を懸念して、日本株が急落するというのが定番なのですが、コロナ禍では、こうした普通の感覚がまったく通用しません。
![日経平均 日足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/b/1/-/img_b1640b573f0d0798379c7a5c8e07308a60730.jpg)
(出所:TradingView)
昨年(2020年)からの異常な金融緩和で、もはや感覚が麻痺してしまっているということだと思います。ですから、今の金融市場はこういう反応をするものだと、割り切って理解するしかないと思います。
【参考記事】
●コロナバブルは2021年も継続。資源国通貨買いが有効。米ドル/円はバイデン政権次第(1月7日、今井雅人)
●官製相場の株式市場は当面、崩れない! ならば、為替は円安傾向が緩やかに続くか(2020年11月26日、今井雅人)
●コロナバブルが当面、弾けない理由とは? ドル/円・クロス円は反動狙ってエントリー(2020年6月4日、今井雅人)
■米ドルの方向性は、はっきりしない状態に
さて、その上で、前回のコラムでは1年の初めということもあり、少し長期的な話をしましたが、今回は、足元、直近の相場について考えてみたいと思います。
【参考記事】
●コロナバブルは2021年も継続。資源国通貨買いが有効。米ドル/円はバイデン政権次第(1月7日、今井雅人)
昨年(2020年)のクリスマス休暇明けから、欧米の投機筋は、まず米ドル安で勝負をかけてきました。その結果、ある程度、米ドル安が進みました。
しかし、以前にもご説明したとおり、これは言ってみれば短期的な仕掛けであり、それにみんなが付いてこないとわかると、すぐに切り返すというのが、いつもパターンです。
実際のところ、ここ1~2週間は、米ドルの方向性は、はっきりしない状態に入ってきました。
![ドルインデックス 日足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/7/6/-/img_76cd6bb349b2c1beba6afe8d96ce73be90409.jpg)
(出所:TradingView)
■米ドル/円、ユーロ/米ドルはレンジトレードで
そうなると、次の展開はもみ合いです。
米ドル/円に関しては、102円台は買いが沸いて出てくることが一度、確認されましたので、ここは底堅くなってくると思われます。一方、105円がかなり遠くに見えるようになってきています。ですから、104.50円辺りが天井になってくるイメージではないでしょうか。
その中で、レンジトレードを基本戦略として、考えておく必要があると思います。
![米ドル/円 日足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/6/e/-/img_6e61145a779beff84cd5e854d2ce9e9984347.jpg)
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルも、1.21ドル台から1.23ドル台の、レンジの中に入り込んでくるのではないかと思っています。
![ユーロ/米ドル 日足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/b/f/-/img_bffb0e2f21c54f1fd540aac3517776a577246.jpg)
(出所:TradingView)
■引き続き、豪ドルなどの資源国通貨の買い戦略がおすすめ
一方、これはずっとおすすめしているのですが、豪ドルなどの資源国通貨です。
豪ドル/円も、80円台でウロウロはしていますが、少なくとも下値はかなり堅いように見えます。
![豪ドル/円 日足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/f/e/-/img_fefd88140a593768ac26785db95ff32f71212.jpg)
(出所:TradingView)
資源国通貨でも、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の買い戦略は、少し長めにキープするという姿勢でいいのではないでしょうか。
【参考記事】
●コロナバブルは2021年も継続。資源国通貨買いが有効。米ドル/円はバイデン政権次第(1月7日、今井雅人)
●ワクチン普及で株高・円安の復活に期待! 引き続き資源国通貨や新興国通貨の買いで(2020年12月17日、今井雅人)
■英ポンドは、ジリジリと強くなっていくイメージ
次に、英ポンドです。
今年(2021年)1月1日(金)から、EU(欧州連合)との新しい関係がスタートしました。とりあえず、大きな混乱なくスタートしています。
英国は現在、おそらく世界で一番、新型コロナウイルスの感染状態が悪いのですが、そんなことは今の市場は問題視しません。EUとの関係が、今のところ落ち着いているので、英ポンドに買いが入っています。
【参考記事】
●英国とEUがFTA交渉で、ついに合意! 英ポンドには好材料。下落のリスク低下(2020年12月25日、今井雅人)
こちらも、一気に上昇するということはないかもしれませんが、ジリジリと強くなる相場になってくるのかな、とイメージしています。
![英ポンド/米ドル 日足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/c/6/-/img_c69ce3a88ccafa18ede1911b0924785172168.jpg)
(出所:TradingView)
全体的には、豪ドル/円のロング(買い)を、少し長期目的でキープしながら、米ドル/円、ユーロ/米ドルでレンジトレードをするという戦略を、続けていきたいと思います。
![豪ドル/円 週足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/e/1/-/img_e152ef8971a1c1000c2e19493c3f2f7466556.jpg)
(出所:TradingView)
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