金曜日に出たアメリカのPPIは予想通りの数字であったが、それでも高めに出たことに変わりはない。それで直後には10年ものの利回りも1.64%台まで跳ね上がった。ドルを積極的に買う理由はない中で、ドルが全面高となるのを強いられた。
ドル円は押し目買いはしたいものの、なかなか高いところをつかんでいく気にはなれない。109円台でロングにしようとは思わないのである。どうせドルロングにするのであれば、ユーロドルをショートにしたほうが攻めやすいようにも思える。そうした市場のコンセンサスがあるのか、やはりドル円の109円台では値動きがとても鈍い。
今日から日経先物は6月限が中心限月となる。3月限と平行して取引されていたときに比べてみればわかったことなのだが、6月限は3月限よりも200円ほど安い。これは言うまでもなく3月末での配当取りの権利落ち分が、キャリリングコストとして先物価格に織り込まれているからである。特に将来の見通しが株安だからではない。
ただこういう状況がもたらすことの害悪としては、トレードできる先物価格が数字だけの日経平均株価よりも安く見えてしまうことである。これによって先物価格がとても割安に見えてしまい、つい要りもしないのに買ってみようかなという意欲を働かせる。
またこれがフェアバリューだとわかっていても、どうせ他の人びとがだまされて買うだろうから、自分がフロントランニング的に買ってロングにしてみようかという機会が増えることである。これを繰り返すと日本株それ自体が割高な状態になってしまう。こうした状況は3月末の権利落ちまで続く。
したがってアジア時間では今しばらくリスクオンの流れが続くことになりそうだ。事実、ユーロ円も実に堅調だし、130円台を割り込まなくなってきている。ドル円も110円台が完全に視野に入ってきた感じもある。ドル円でショート攻めするのは、海外時間だけに絞ったほうがよさそうだ。
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