昨日は久しぶりにリスクテークの流れが強まった。あまり好材料もない中で、米国株は大きく切り返したのだ。ユーロ円も調整中の状態から130円台の大台に乗せてきた。ドルの長期金利も急上昇することはなく、リスクテークに対しての安心感も増大した。ドル円は107円台に突っ込むことはあったが、深押しはしなかった。
カナダ中銀が国債の買い入れを減らすことを表明した。これが世界的なテイパリングの端緒となるかもしれない。そして今晩はECBの金利会合もある。注目こそされていないが、緩和スタンスの継続を強調してマーケットの安心感を誘うほうのニュアンスで声明を出すのか、それともテイパリングの始まりを少しでも匂わせるものとなるのか。場合によってはユーロの急上昇を招く恐れもある。
ところでコロナ感染の数が世界的には増加している。欧米を除いての地域ということになるのでニュース性は小さくて、マスコミで取り上げられることもない。しかしマーケットはやや過敏になっている。昨日もニューヨーク序盤までは米国株は調整が大きく入っていた。また懸案の長期金利も安全志向と言うことで上昇しない。
ワクチン接種の進行で安心感が拡がっているのも事実だが、これから重要視されるのはワクチンを打ったのに感染した人、過去にコロナにかかったのに再度の罹患数である。ワクチンを打っても効果があるのは一時的だと判明すると、治療薬ができていない現状としては、再び大規模なロックダウンとかを強いられることになるからだ。
やっぱり治療薬の必要性が重大だとなると、マーケットの回復度もかなり怪しいものとなる。その際のリスク回避の動きも相当のものとなろう。ユーロ円は130円台にステイしているなど、リスク許容度の回復具合を先行して示唆しているが、これの急反転する可能性もまったくは排除できないのである。
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