日本が連休中の間は世界的にはおおむねリスクテークの流れが強まった。イギリスやアメリカではコロナ感染者数の増加が目立つが、それに対して細かくロックダウンで対応したりしていないのが経済的に安心感を与えてもいるのだろう。
たしかに重傷者や死者の数は極端に増えてはいない。特段に医療逼迫ということも思っていないようだ。米国株は連日で史上最高値を更新してきており、先週末もほぼ高値引け。なかでもGAFAなどを中心とするグロース系が買いを集めている。
それに順応してドル相場も総じて堅調。ドル円は110円台のミドルまで来ているが、最近のレンジ内に収まっているということもあり、とくに高いという感じはしない。ユーロドルも1.17台の中盤まで押してきているが、ここ1年間の最大の押し目が1.17台の前半なので、サポート感が強く、この夏場の消極的な時期に激しく下抜けしていくとも考えづらい。
ところで東京オリンピックがついに開催された。コロナ感染が拡大している中で、やるのかやらないのか。結局のところ、やることが前提となってしまっていて、やらないための議論はついに出なかったような気がする。医療機関などは立場上、開催を反対はしているものの、それとて積極的な反対ではなく、「やるならばこうすべきだ」といった条件付きの賛成がほとんどだった。
政治イベントとして決定されたことを覆すのは難しい。誰も責任を取りたくないのか、英断もしないし、猫の首に鈴をつけに行く人もいなかった。一度、決めたことを止められないのは、アジア太平洋戦争と同じである。きちんと開催反対の意見も出させた上での、無理な開催がよかったのだろうが。
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