(前回「ドルはどこまで下がるのか? (4)」からのつづき)
松田哲さんは「ドルが下がってきた真の原因」を何だと考えているのか?
「それは”戦争”だと思いますよ。ブッシュ政権はアフガニスタンとイラクで戦争しました。公式にはアメリカとイラクの戦争は終わったことになってるけど、そんなの詭弁ですよ。今も戦費はかかっていて、アメリカの財政を圧迫しています」
松田さんが熱く語り始めたドル安の真の原因----それは戦争だった。
「戦争ほど金のかかることはありません。それは次の生産性に結びつくことのない単なる浪費。100兆円とか150兆円とかの戦費、それはドブに捨てたも同然なんです。軍需産業は確かに潤うかもしれないけど、アメリカ経済全体にとってはなんのプラスにもならない。その分、国力が疲弊しているわけだから、通貨にとってはマイナス要因です」
■テクニカル分析が指し示す史上最安値への下落
では、具体的なレートで、ドル/円相場はどこまで下がると考えられるのか? テクニカル的な面から松田さんはこう語る。
「1999年、2005年に反発していた101円~101.50円。このレートがチャートポイントになっていたわけですが、今回それを割り込みました」
チャートポイントというのは多くの人が意識しているレートのこと。101円~101.50円は過去10年以内のドル/円安値であり、そこから2回反発していたのだから、当然意識されるレートなのだ。
「昨年6月の高値、124円からサポートラインになっていた101円まで、値幅はだいたい20円。サポートラインを割れたら、高値からの値幅と同じだけさらに下がるとテクニカルの教科書的には考えればいいから、だいたい80円という数字が出てきます。そして、これは1995年につけたドル/円相場の史上最安値と一致するんですね」
さらに…と松田さんは続ける。
「もう一段いくと、80円割れもあると思います。今の経済情勢の流れが変わらなければね。80円を割れれば、65円もあり得ると思いますよ」
では、今後のトレード戦略はどうしたらいいのだろう?
松田さんの話からはドル/円はとにかく売らなきゃいけないと思える。ただ、4月上旬のように一時的に反発することもある。では、どんなレートになったら売るのがいいのか?
「102円とか105円とか108円とか、このあたりは全部売り場ですよ。少なくとも買っちゃいけないとボクは思う。ストップをつけながら売っていけばいいんです」
FXでは損切りの逆指値注文(ストップ注文)を入れることができる。たとえば、下がると思って102円で新規に売りを入れたら、103円のところにストップ注文を入れておく。予想に反して、売ったあと上がったら、いったん103円で損切りとなる。けれど、そこからさらに売り場を探していくべき…というのが松田さん、オススメのトレード戦略なのだ。
しかし、ドルが上昇する可能性はまったくないのだろうか?
「確かに週足で見た時のレジスタンスライン----これは今、109円あたりにありますが、ここを上に抜けてくれば、上昇トレンドへ転換する可能性も出てきます」
では、今後のトレード戦略はどうしたらいいのだろう?
松田さんの話からはドル/円はとにかく売らなきゃいけないと思える。ただ、4月上旬のように一時的に反発することもある。では、どんなレートになったら売るのがいいのか?
「102円とか105円とか108円とか、このあたりは全部売り場ですよ。少なくとも買っちゃいけないとボクは思う。ストップをつけながら売っていけばいいんです」
FXでは損切りの逆指値注文(ストップ注文)を入れることができる。たとえば、下がると思って102円で新規に売りを入れたら、103円のところにストップ注文を入れておく。予想に反して、売ったあと上がったら、いったん103円で損切りとなる。けれど、そこからさらに売り場を探していくべき…というのが松田さん、オススメのトレード戦略なのだ。
しかし、ドルが上昇する可能性はまったくないのだろうか?
「確かに週足で見た時のレジスタンスライン----これは今、109円あたりにありますが、ここを上に抜けてくれば、上昇トレンドへ転換する可能性も出てきます」
「だけど…」と松田さんは続ける。
「大きな大きな目でファンダメンタルズを見ると、ドル買いの芽は出てこないんです。じゃあ、サブプライムローン問題は解決されてるんですか? アメリカの景気後退は? アメリカの戦費は? 財政赤字は? 貿易赤字は? ドルの金利がいったいこれから上がるというんですか?…どれもこれもネガティブな材料ばかり。ドルを買う材料が見あたらないんですよ」
(「ドルはどこまで下がるのか? (6)」へつづく)
(ザイFX!編集部・井口稔)
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