(前回「ドルはどこまで下がるのか? (5)」からのつづき)
ドル/円は80円、さらには65円まで下落する可能性があるという松田哲さん。
では、ドル/円以外の通貨ペアについて、松田さんはどう考えているのか? その見解を聞いてみよう。
まず、ユーロ/ドルはどうか。
実を言うと、記者は昨年、2007年9月に松田さんを取材している。その記事は『ダイヤモンド・ザイ』の2007年12月号(10月発売号)に掲載された。その時、松田さんはユーロ/ドルについて、「2008年末までに1.60ドル前後を目指す」と予想していた。
取材時点でユーロ/ドルはまだ1.38ドル程度。松田さんが今後の予想として描いてくれたきれいな右肩上がりのチャートを見て、ずいぶん強気だと感じたものだったが、その後、ユーロ/ドルはグングン上昇。かなりのハイスピードで、あっというまにほぼ1.60ドルまで到達してしまった。
当面の目標地点まで到達したユーロ/ドル。さて、松田さんの今後の見通しは?
「ユーロ/ドルは大きな大きな流れで見れば、まだ上昇トレンドでしょう。ただ、今は調整中だと思います」
2002年あたりからユーロ/ドルはハッキリ上昇に転じ、きれいな右肩上がりとなっている。そこにサポートラインをひいてみたのが下のチャートだ。
松田さんはサポートラインの手前、「1.42~1.44ドルぐらいまでの調整はあるかもしれない」と言う。もしも、その後、サポートラインを割れてしまえば、下落トレンドに転じる可能性も出てくるというが、「調整した後に反発するのがメインシナリオ」とのこと。
その場合、「長期的に見れば、1.8ドルとか、2.0ドルを考えないといけなくなってくると思います。ただ、今までの上昇がきつかったですからね。その分の調整があると思っているので、今現在はあまり追いかけて買いたくない気分です」
結局、ユーロ/ドルは長期的な上昇トレンドにあるが、短期的には調整局面というのが松田さんの見解だ。
では、ユーロ/円はどうなのか?
(「ドルはどこまで下がるのか? (7)」へつづく)
(ザイFX!編集部・井口稔)
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