特に、バロメーターとして挙げていたユーロ/ドルの200日線のブレイクは象徴的な出来事だった。
(※編集部注:「三尊型」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。仏像が3体並んでいるように見えるためで、人の頭と両肩に見立てて「ヘッドアンドショルダーズトップ」と呼ぶこともある)
■先週末から相場が逆転し始めた!
ただ、筆者の予測とはやや異なって、対ユーロ、対英ポンド、対豪ドルでのドルの下落はどちらかと言えば緩やかであったものの、対円では一直線の下落となった。その値幅は、4営業日で4円50銭程度となった。

結果的には、クロス円(ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場も揃って下値を切り下げており、軟調な値動きとなっている。
ロジックを整理してみる。
まず、2009年の年初から「円を除いたメジャー通貨(ユーロや英ポンドなど)が対ドルでリバウンドし、それがクロス円相場の堅調をもたらし、これに相まってドル/円が上昇する」ということが相場を読み解くカギとなっていた。しかし、先週末からは逆転している。
すなわち「ドル/円の下落に伴ってクロス円相場が軟調となり、それがメジャー通貨対ドルにおいても、メジャー通貨上昇のスピードを落とす」といった関係になりつつあるではないかと推測できる。
■当面のクロス円相場が天井を打った可能性
ドル/円が底割れとなると、当然のように、クロス円相場の見通しも修正しなければならない。結論から申し上げると、当面のクロス円相場は天井を打ったか、もしくは、これからもう少し上昇したとしても、さほど高いレベルにならないのではないかと見ている。
すぐにベア・トレンド(弱気相場)へ転換するとも想定しにくく、また年初来安値の更新もないであろう。

それというのは、ドル/円は下落トレンドを再開したものの、2008年に見られたような急激な下げではなく、総じて緩やかなもので、おもに対円以外でドル安が進行すると見ているからだ。
この理屈を説明するには、まず、2008年の状況を振り返る必要がある。
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