(「【09年予想】岡崎良介さんに聞く(1)~2009年はまだまだ円高が続く!~」からつづく)
■反発局面でショートして、新安値で利食う
岡崎さんが分析に使ったドル/円レートはFRB(米連邦準備制度理事会)が公式に記録しているニューヨーク市場の月末値。また、トレンドの転換は高値、安値から15%以上変動したことをもって判定している。そうなると…
「2009年はドル/円の下落トレンド継続と見ているわけですが、その途中で一時的な反発はあり得ます。月末値ベースの最安値から15%以内の上昇はあり得るわけです。また、月末値ではなく、月中の最安値ということなら、もっと変動幅は大きくなり、たぶん20%ぐらいの一時的な反発はあるでしょう。
トレード法としては、そういった一時的な反発の場面でショートポジション(新規で売りから入ること)を作るのが有効です。そこから下がって、新安値をつけたら買い戻して利食いします。また、反発したらすかさずショート、新安値をつけたら利食いします。私はこうした手法を20年間以上、繰り返しているんです」
米ドル/円 週足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
■15円、20円といった大きな流れを取りにいく方が効率的
岡崎さんは株などの運用の仕事に携わっているが、海外の資産も運用しているので、こうした手法を駆使して為替の取引もしているという。そこで、ショートポジションを作る“瞬間”は具体的にどういう時がいいのか、さらに詳しく聞いてみたのだが…。
「これはワザですね。一概には言えないんですよ。15%以内の反発局面でショートポジションを作るわけですが、5%のところでショートするのか、10%のところでショートするのかはその時の雰囲気を見て決めるしかなく、人に教えられるものではありません。自分でも失敗することがあるぐらいですからね」
……とのことだった。また、岡崎さんの手法では「反発したところでショートして、新安値をつけたら利食う」ということだが、一般的なトレード手法として新安値をつけたところで新規にショートするような「ブレイクアウト」というやり方もある。
岡崎さんの手法は「ブレイクアウト」とはまったく逆のようなことになるが、そのあたりはどうなのだろう?
「そこはチャートでトレードする人が売ってくるので、逆にこちらは買うんですよ。
ただ、私の手法はFXでよくやられているような1円、2円を取りにいくようなものではないんです。15円、20円といった大きな流れを取りにいくやり方ですね。
だから、レバレッジをかけて大きなポジションを持つようなトレードには向きません。それより、小さめのポジションを長く持った方が効率がいいんじゃないかと私は思いますね」
■15円、20円といった大きな流れを取りにいく方が効率的
岡崎さんは株などの運用の仕事に携わっているが、海外の資産も運用しているので、こうした手法を駆使して為替の取引もしているという。そこで、ショートポジションを作る“瞬間”は具体的にどういう時がいいのか、さらに詳しく聞いてみたのだが…。
「これはワザですね。一概には言えないんですよ。15%以内の反発局面でショートポジションを作るわけですが、5%のところでショートするのか、10%のところでショートするのかはその時の雰囲気を見て決めるしかなく、人に教えられるものではありません。自分でも失敗することがあるぐらいですからね」
……とのことだった。また、岡崎さんの手法では「反発したところでショートして、新安値をつけたら利食う」ということだが、一般的なトレード手法として新安値をつけたところで新規にショートするような「ブレイクアウト」というやり方もある。
岡崎さんの手法は「ブレイクアウト」とはまったく逆のようなことになるが、そのあたりはどうなのだろう?
「そこはチャートでトレードする人が売ってくるので、逆にこちらは買うんですよ。
ただ、私の手法はFXでよくやられているような1円、2円を取りにいくようなものではないんです。15円、20円といった大きな流れを取りにいくやり方ですね。
だから、レバレッジをかけて大きなポジションを持つようなトレードには向きません。それより、小さめのポジションを長く持った方が効率がいいんじゃないかと私は思いますね」
■ポジションは細かく分けて作ること
「また、アメリカが利上げを開始してから7ヵ月後にドル/円は底を打つといっても、7ヵ月後というのは平均であって、そこには幅があるわけです。だから、いっぺんにポジションを作るのではなく、細かく分けることが必要です。
また、ポジションを作り始めた当初は含み損が出ることも想定する必要があります。私のやり方だと15%ぐらい含み損が出るリスクがありますから、それぐらい含み損が出ても、強制決済されない程度のポジションに止めておくのがいいでしょう」
岡崎さんの運用方法をそのままマネしたいという人は、FXのトレードと同じような感覚でやるのは危ない。以上のような点をよく念頭に置いた上で運用した方がいいだろう。
■2%台まで低下した米長期金利の意味するものは?
次に長期金利のことに話を移そう。
長期金利の代表は10年もの国債の利回り。こちらは政策金利とは違って、通常、中央銀行が直接は制御できない。市場で国債に買いが集まれば、債券価格が上がり、その分利回りは下がる。逆に国債が売られれば、債券価格が下がり、その分利回りは上がる。
アメリカの長期金利は9~10月に3.5~4.0%付近で推移していた。それが11月中旬以降急落。年明け以降、反発しているものの、一時は2.0%程度まで一気に下がった。
「また、アメリカが利上げを開始してから7ヵ月後にドル/円は底を打つといっても、7ヵ月後というのは平均であって、そこには幅があるわけです。だから、いっぺんにポジションを作るのではなく、細かく分けることが必要です。
また、ポジションを作り始めた当初は含み損が出ることも想定する必要があります。私のやり方だと15%ぐらい含み損が出るリスクがありますから、それぐらい含み損が出ても、強制決済されない程度のポジションに止めておくのがいいでしょう」
岡崎さんの運用方法をそのままマネしたいという人は、FXのトレードと同じような感覚でやるのは危ない。以上のような点をよく念頭に置いた上で運用した方がいいだろう。
■2%台まで低下した米長期金利の意味するものは?
次に長期金利のことに話を移そう。
長期金利の代表は10年もの国債の利回り。こちらは政策金利とは違って、通常、中央銀行が直接は制御できない。市場で国債に買いが集まれば、債券価格が上がり、その分利回りは下がる。逆に国債が売られれば、債券価格が下がり、その分利回りは上がる。
アメリカの長期金利は9~10月に3.5~4.0%付近で推移していた。それが11月中旬以降急落。年明け以降、反発しているものの、一時は2.0%程度まで一気に下がった。
この長期金利低下が為替相場にとって意味するのはどんなことなのか?
「長期金利の低下はさらなる円高ドル安トレンドの継続を示唆しています。
景気、金利、為替の順番を言うと、まず、アメリカの景気が底を打って、次にアメリカの長期金利が底を打ち、そして、アメリカの政策金利が底を打って、最後にドル/円が底を打つことになるんです。
ただし、景気が底を打ったかどうかは発表が遅いので、事後的にわかることになります。今回もアメリカが景気後退期に入ったという発表は、実際に景気後退期に入ってから11ヵ月遅れて出されました」
■実は一番わかりやすいドル/円相場
大事な点なので、岡崎さんが話してくれた“順番”を以下に改めてまとめておこう。
(1)アメリカの景気底打ち
↓
(2)アメリカの長期金利底打ち
↓
(3)アメリカの政策金利底打ち(利上げ開始)
↓
(4)ドル/円の底打ち
これは実に規則正しくて、わかりやすい。
「そうです。いろいろな相場の“法則”がありますが、私にとってはドル/円相場は一番わかりやすいものなんですよ」
ちなみに岡崎さんは長期金利のトレンド転換を高値、安値からそれぞれプラス・マイナス1.5%以上動いた時点で判定している。
たとえば、もしも今回アメリカの長期金利が1.7%まで下がれば、そこから3.2%まで上がった時に長期金利は底を打ったと判定されることになる。そうしたら、じきに利上げが開始されるぞ、と身構えればいいわけだ。
(「【09年予想】岡崎良介さんに聞く(3) ~ユーロ/円は100円まで下がる可能性~」へつづく)
(ザイFX!編集部・井口稔)
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