鬼頭 FXでどうしてもわからないのが、「外貨を売って円を買う」ということ。「ザイFX!」を見ると、今の相場ではそういう取引もした方がいいみたいなことがよく書かれてるんですが、自分が最初に持っているのが円なのに、なんで円が買えるんでしょう?
■「外貨を売って円を買う」ってどういうこと?
今井 まず、非常に単純に言えば、上がると思ったら買って、下がると思ったら売ればいいんです。相場というのは何でもそうで、株の信用取引でも空売りができますよね。
株の取引と為替の取引を対比させると、こんな感じになります(下図参照)。

今井 株の取引で現物株を買うことと、為替の取引で外貨預金をすることは同じようなもの。これは自分の持っているお金を何かに投資するということ。つまり、自分の持っているお金と同じ金額の取引になるわけです。
一方、株の取引で信用取引に当たるものが、為替の取引ではFXになります。信用取引とFXのしくみは同じなんですよ。これは自分のお金は担保として預けているだけ。それで、自分のお金の何倍もの取引ができるしくみなんです。
鬼頭 へぇ~、お金は預けているだけなんですか。どうしても、持っているお金を投資すると考えてしまいますが…。
今井 そう考えるから、「円を買う」ということがわからなくなるんですよ。

■FXでは口座に入金したお金を直接使うわけではない
今井 たとえば、FX会社の口座に10万円入金したとしましょう。この10万円はFXというゲームをするために、預けているものと考えてください。
今、仮に1ドル=100円だとしましょう。この時、100万円を売って、1万ドル買いたいとします。口座には100万円もお金がありませんが、100万円は借りてきて売ることができるんです。「借りてきて」といっても、それはFX会社が勝手にやってくれることなので、取引する時に意識するわけではないですけどね。
この場合、10万円しかないのに100万円分の取引をしていますから、自己資金の10倍の取引をしていることになります。
これがFXでよく出てくる「レバレッジ」をかけるということです。この場合はレバレッジ10倍ということですね。
ちなみに先ほど触れた外貨預金は自己資金と同じ額だけの取引ですから、レバレッジ1倍です。また、FXはレバレッジをかけられることが大きな特徴ですが、自分のやり方次第で、レバレッジをかけずに取引することも可能です。
さて、1ドル=100円の時に1万ドル買ったあと、1ドル=105円に上がったとしましょう。この時、1万ドルを売れば105万円が手に入ります。そこで借りていた100万円を返しても、5万円が手元に残りますよね。
鬼頭 10万円の元手で5万円儲かったわけですね♪
今井 儲かるばかりでなく、損することもありますよ。もしも、1ドル=100円の時に1万ドル買ったあと、1ドル=95円まで下がったら…。この時、1万ドルを売れば、95万円にしかなりません。
すると、借りていたお金は100万円なのに、5万円足りませんよね。この時、担保として預けていた10万円から、5万円の損失を穴埋めするわけです。
鬼頭 10万円の元手で5万円も損しちゃった(>_
■円高になると儲かるようなFXの取引方法
今井 では次に、いよいよ、ドルを売って円を買う話に移りましょう。やはり、まず、FX会社の口座に10万円入金したとします。今、仮に1ドル=100円だとして、この時、1万ドルを売って、100万円買いたいとします。口座にドルはないですが、どうしたらいいと思いますか?
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