104円台というターゲットの計算も簡単だ。
「ヘッド」を示す同フォーメーションの最安値からネックラインまでの垂直距離を測り、その値幅をブレイク・ポイントからそのまま上乗せすればターゲットが得られる。このたぐいの知識は今ではインターネットで誰でも容易に手に入るのだから、「教科書」はいらない(下の部分拡大図参照)。
■ファンダメンタルズよりもチャートに素直について行け
それでは、同フォーメーションの知識があったにも関わらず、今回のドル/円の値動きに応用しきれずにいた人がいたなら、その原因はどこにあったのか?
一つはファンダメンタルズの要素ばかりに影響されて、チャートに素直について行っていないことが大きな原因ではないかと思う。当然のように、新聞ばかり読んでいたら、とてもドルを買う気にはなれず、評論家らの意見に影響されてしまうだろう。もう一つ、原因を挙げるなら、チャートをきちんと観察していなかったのではないかと思う。
「米ドル/円 日足」の部分拡大図

(出所:米国FXCM)
上図は「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」のフォーメーションを拡大したものである。図示されたヘッドとショルダー部分の罫線に注目すれば、いずれも「長下ヒゲ」がついているか、「たぐり線」と呼ばれる足型を示していたことがわかる。
難しい分析は不要で、「長下ヒゲ」にしても、「たぐり線」にしても、当日の相場がいったん深く下押ししたが、その日の終値が最安値よりもはるかに高かったことを意味する。つまり、その日はあくまでロング筋(※)が主導権を握っていたことを示唆しているのだ。
その上、左「ショルダー」と右「ショルダー」の下ひげの位置がほぼ合致していたことも見逃せない。よって、3月30日以降、同フォーメーションが形成される蓋然性が高いと判断でき、後はネックラインのブレイクを待つのみだった。訓練を重ねているトレーダーならば、3月31日以降に事前に逆指値を入れて、優雅にエントリーできたはずだ。
(※編集部注:「ロング筋」とは買っている勢力のこと。この場合はドル/円を買っている勢力のことを表す)
■ドル/円の買い参入は今からでも遅くはない
それでは、英ポンド/円、豪ドル/円など他のクロス円相場ではどうか? これらは大きく上昇しており、ドル/円より有利ではないかと思われる節もある。短期トレードならばこのような見方は正解なのだが、もう少し長いスパンのトレーディングなら、私はドル/円のほうが「無難」だと思う。
上図は「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」のフォーメーションを拡大したものである。図示されたヘッドとショルダー部分の罫線に注目すれば、いずれも「長下ヒゲ」がついているか、「たぐり線」と呼ばれる足型を示していたことがわかる。
難しい分析は不要で、「長下ヒゲ」にしても、「たぐり線」にしても、当日の相場がいったん深く下押ししたが、その日の終値が最安値よりもはるかに高かったことを意味する。つまり、その日はあくまでロング筋(※)が主導権を握っていたことを示唆しているのだ。
その上、左「ショルダー」と右「ショルダー」の下ひげの位置がほぼ合致していたことも見逃せない。よって、3月30日以降、同フォーメーションが形成される蓋然性が高いと判断でき、後はネックラインのブレイクを待つのみだった。訓練を重ねているトレーダーならば、3月31日以降に事前に逆指値を入れて、優雅にエントリーできたはずだ。
(※編集部注:「ロング筋」とは買っている勢力のこと。この場合はドル/円を買っている勢力のことを表す)
■ドル/円の買い参入は今からでも遅くはない
それでは、英ポンド/円、豪ドル/円など他のクロス円相場ではどうか? これらは大きく上昇しており、ドル/円より有利ではないかと思われる節もある。短期トレードならばこのような見方は正解なのだが、もう少し長いスパンのトレーディングなら、私はドル/円のほうが「無難」だと思う。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
また、足元のドル/円相場は「後出しジャンケン」的なシグナルが多数あり、今から参加しても決して遅くないということを申し上げたい。その理由と細かい検証は次回のお楽しみに。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
また、足元のドル/円相場は「後出しジャンケン」的なシグナルが多数あり、今から参加しても決して遅くないということを申し上げたい。その理由と細かい検証は次回のお楽しみに。
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