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西原宏一_メルマガ取材記事
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

上値ターゲットを104円台へ上方修正!
ドル/円の買いは今からでも遅くない

2009年04月03日(金)17:50公開 (2009年04月03日(金)17:50更新)
陳満咲杜

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 円安、株高が進んでいる。ドルは対主要通貨で軟調に推移しているが、対円だけはブル(強気)基調を保つ。当然のように、クロス円相場(※)は揃ってリバウンドの勢いを強めた。前回も指摘したように、「後出しジャンケン」でも十分ついていける「やさしい」相場であった「後だしジャンケンでも勝てる! 為替相場の新常識」参照)

(※編集部注:「クロス円」とはドル以外の通貨と円との通貨ペアのこと)

■ネガティブなニュースが出る一方で株価はグングン上昇

 その背景は、前々回にも強調したように「クロス円をはじめとして、円全体の続落がドル全体の弱さにリンクしている」という奇妙な関係にあり、まったくサプライズはなかった。改めて感心しているのは「現実は予想より早く変化する」(アーサー・ザイケル)、そして「相場は現実よりも早く動く」ということだ「米ドル/円は一直線に下がるのか、それともリバウンドはあるのか?」参照)

 米国株については、一部論者の「ダウ6000ドル割れ必至」との声が消えないうちに、あっという間に8000ドルを超えてきた。実際、3月17日から3月26日までに、ダウ指数にしても、S&P500指数にしても20%以上の上昇幅を達成しており、ナスダック指数に至っては約25%も上昇していた。

 これは1938年以来の激しい上昇なのだが、マスコミは依然として「米GM(ゼネラル・モーターズ)破綻やむなし」や「次の危機に備えよう」といった論調を繰り返しているのだ。

 日本の場合もしかり。日銀短観(企業短期経済観測調査)が史上最低水準更新といったネガティブなニュースが新聞紙面に掲載されているが、一方で日経平均は9000円の大台をトライしようとしている。新聞だけの情報では、とても株は買えない。

 金融機関で働いていた時に、私は部下に対して常にこう言っていた。「新聞は朝に読むものではない。1日が終わり、風呂から上がって、ウィスキーを手にして、斜めにチェックする程度がちょうどいい」。

■ジョージ・ソロスのコメントもアテにならない

 為替市場においても、今週始めから市場コンセンサスがことごとく裏切られている。「予想外」のECBの利下げ幅、「予想外」の英住宅関連データの上昇、「予想外」の20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)での1兆ドル規模の対策への合意などなど…。

 特に、G20については、米著名投資家ジョージ・ソロス氏の「G20会議が失敗に終わり、市場が再び暴落する引き金になる」といった事前の予測が広く報道されていた。しかし、G20終了後にはソロス氏による「評価する」とのコメントが早速伝えられている。「新聞を読む暇があったら、相場をチェックしろ!」と部下に言っていたことは、やはり正しかったのだ。

■ドル/円の上値メドは104円台へ上方修正!

 さて、これからの相場はどうなるか? 結論から申し上げると、ドル/円の上値メドは104円台へと上方修正すべきだと思う。この結論はファンダメンタルズに基づいたものではなく、「相場は相場に聞け」と言われるように、チャートを見て導き出したものだ。

 4月3日午前(日本時間)の時点では、ドル/円は100円台に乗せてきている。本コラムが2月27日に指摘した第一ターゲットはとりあえず達成された格好であるが(厳密に言えば、昨年12月から定めた目標であった)、ここで利益を確定するのではなく、新たにロングポジションを作るべきだ「『1−2−3の法則』が大ヒット! ドル/円は100~102円台達成の可能性大」参照)

 下の日足チャートを見ていただきたい。aラインは上昇トレンドのサポートラインの役割を示し、ドルの上昇が続いていることを示唆している。その上、bラインの役割に注目してほしい。これは「ネックライン」と呼ばれる重要な指示性を持つラインだ。
米ドル/円 日足(クリックで拡大)
(出所:米国FXCM

 上のチャートが示すように、赤い円で囲まれた部分を総合的に見れば、「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」というフォーメーションが読み取れる。同パターンは日本語で「逆三尊型」とも言い、下落の蓋然性を示す「三尊型」とは逆に上放れの可能性を示すものだ。

 実際に上に行くかどうかはこの「ネックライン」を超えたかどうかに左右されるのだが、3月31日にブレイクしたことがわかる。従って、本日4月3日にドル/円が100円台に乗せたことは自然な成り行きであって、ドルの上昇はここで止まらないはずだ。
 104円台というターゲットの計算も簡単だ。

 「ヘッド」を示す同フォーメーションの最安値からネックラインまでの垂直距離を測り、その値幅をブレイク・ポイントからそのまま上乗せすればターゲットが得られる。このたぐいの知識は今ではインターネットで誰でも容易に手に入るのだから、「教科書」はいらない(下の部分拡大図参照)。

■ファンダメンタルズよりもチャートに素直について行け

 それでは、同フォーメーションの知識があったにも関わらず、今回のドル/円の値動きに応用しきれずにいた人がいたなら、その原因はどこにあったのか?

 一つはファンダメンタルズの要素ばかりに影響されて、チャートに素直について行っていないことが大きな原因ではないかと思う。当然のように、新聞ばかり読んでいたら、とてもドルを買う気にはなれず、評論家らの意見に影響されてしまうだろう。もう一つ、原因を挙げるなら、チャートをきちんと観察していなかったのではないかと思う。
「米ドル/円 日足」の部分拡大図
(出所:米国FXCM

 上図は「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」のフォーメーションを拡大したものである。図示されたヘッドとショルダー部分の罫線に注目すれば、いずれも「長下ヒゲ」がついているか、「たぐり線」と呼ばれる足型を示していたことがわかる。

 難しい分析は不要で、「長下ヒゲ」にしても、「たぐり線」にしても、当日の相場がいったん深く下押ししたが、その日の終値が最安値よりもはるかに高かったことを意味する。つまり、その日はあくまでロング筋(※)が主導権を握っていたことを示唆しているのだ。

 その上、左「ショルダー」と右「ショルダー」の下ひげの位置がほぼ合致していたことも見逃せない。よって、3月30日以降、同フォーメーションが形成される蓋然性が高いと判断でき、後はネックラインのブレイクを待つのみだった。訓練を重ねているトレーダーならば、3月31日以降に事前に逆指値を入れて、優雅にエントリーできたはずだ。

(※編集部注:「ロング筋」とは買っている勢力のこと。この場合はドル/円を買っている勢力のことを表す)

■ドル/円の買い参入は今からでも遅くはない

 それでは、英ポンド/円、豪ドル/円など他のクロス円相場ではどうか? これらは大きく上昇しており、ドル/円より有利ではないかと思われる節もある。短期トレードならばこのような見方は正解なのだが、もう少し長いスパンのトレーディングなら、私はドル/円のほうが「無難」だと思う。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足

 また、足元のドル/円相場は「後出しジャンケン」的なシグナルが多数あり、今から参加しても決して遅くないということを申し上げたい。その理由と細かい検証は次回のお楽しみに。
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