昨日はFOMCであった。そもそも11月からのテイパリング開始が完全に織り込まれている。後は利上げの時期について、どのような言及があるのかが焦点となっていた。声明文の文言などで「インフレは一時的」というのが削除されたりはしないか、など。
とくに昨今のエネルギー価格をはじめとするコモディティ価格の高騰はめざましいものがある。それをどの程度までに深刻に捉えているかを見るためでもあった。GDPは頃名前の水準に戻っているのだから、コロナ感染に備えてと言うのはもう理由にはならないだろう。
そういう見地からしてみると、FOMCの見解はたいへんなハト派的にものに見えた。経済回復を認めながらも、利上げをするためにはまだ大きなハードルが残っているとして、利上げに関しては触れないでいる姿勢を明確にした。テイパリングは終了するまで早くとも6月までかかるものとされている。
来年は6月利上げと9月利上げが25ベーシスずつ見込まれていただけに、利上げのための議論が先延ばしになることによって金融の正常化が後ズレする可能性を含ませた。これは利上げに前向きになっているカナダやイギリス、そのほか新興国であるロシアやブラジルからしてみると、やや失望的なスタンスだったと言えるだろう。
FOMCの結果から、米国株は一段高に向かい、史上最高値を記録。まだ利上げまでには時間があると評価したものだろう。為替相場は小動きのままだったが、どちらかと言えばややドル安のほうに動いた。ドル円が114円台割り込んできたり、ユーロドルが1.16台に乗せてきたりなど。格別にダイナミックな反応を示さなかったので、私としては手を出しそびれてしまった。
今晩はイギリスの金利会合がある。そこでは15ベーシスから25ベーシスの利上げを見込む向きもある。前日にFOMCでかなりハトは的な見解が示されたことから、マーケットではイギリスの見解との整合性を求めていく動きとなるだろう。あまりにも利上げの理由がFOMCとかけ離れている場合は、FOMC後の値動きがすべて消し飛んでしまうことになるかもしれない。
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