10月28日のコラムで、ユーロ/米ドルは下落トレンドに転換している可能性があると指摘し、それ以来、相場観を変えないでここまできました(「『ヘッド&ショルダー』を形成し始めたユーロ/ドルは下落トレンド転換の可能性も」を参照)。
その理由はこれまで説明してきたとおりですので、ここでは省略します。ひと言でいえば、FOMC(米連邦公開市場委員会)通過での材料出尽くしに伴う米ドル高への反転と、欧州の財政問題といったところでしょうか…
市場の動きを見てみますと、ここ1カ月間は、ほぼ予測していたような状況になってきています。さまざまな条件がそろって米ドル高に向かってきましたので、ここまではとてもわかりやすい相場展開であったと言えると思います。
ただ、ここからは難しくなってくるかもしれません。
ユーロ/米ドル 週足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
さて、今回はもう少し前にさかのぼってお話をしたいと思います。
■再び欧州の財政問題に市場の目が向かい始めた
私は、今年の夏ごろから次の2つのことを言ってきました。
(1)為替市場には「クセ」があって、3~4カ月程度の単位で、市場のテーマが変わりやすいということがある。ユーロの問題から目が離れて、しばらくアメリカに注目が移る。
(2)しかし、ヨーロッパの問題は本質的には何も変わっていない。景気が悪いときに財政緊縮をすれば景気回復の阻害要因となり、税収が減少し、かえって財政赤字が拡大してしまうことすらある。ヨーロッパはまさにこの合成の誤謬(ごびゅう)に陥ってしまう可能性がある。そのため、いずれ、また欧州の問題が顕在化する時期がやってくる。
さて、今回はもう少し前にさかのぼってお話をしたいと思います。
■再び欧州の財政問題に市場の目が向かい始めた
私は、今年の夏ごろから次の2つのことを言ってきました。
(1)為替市場には「クセ」があって、3~4カ月程度の単位で、市場のテーマが変わりやすいということがある。ユーロの問題から目が離れて、しばらくアメリカに注目が移る。
(2)しかし、ヨーロッパの問題は本質的には何も変わっていない。景気が悪いときに財政緊縮をすれば景気回復の阻害要因となり、税収が減少し、かえって財政赤字が拡大してしまうことすらある。ヨーロッパはまさにこの合成の誤謬(ごびゅう)に陥ってしまう可能性がある。そのため、いずれ、また欧州の問題が顕在化する時期がやってくる。
欧州主要経済指標の推移
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:欧州主要経済指標の推移)
アメリカの金融緩和がひと段落し、その巻き戻しが起きている中で、再び、アイルランドの財政問題を機に、欧州へと市場の目が向かっているようです。
まさに(1)から(2)へと移ってきたわけです。
アメリカの金融緩和がひと段落し、その巻き戻しが起きている中で、再び、アイルランドの財政問題を機に、欧州へと市場の目が向かっているようです。
まさに(1)から(2)へと移ってきたわけです。
■みんなが「ユーロ/米ドルは下がる」と言い始めた…
しかし、最近になって少し心配なことが出てきました。
他の人たちが「ユーロ/米ドルは下がる」と言い始めたことです。
正直言って、ここからさらに下がるかどうか、少し自信がなくなってきました。
しかし、最近になって少し心配なことが出てきました。
他の人たちが「ユーロ/米ドルは下がる」と言い始めたことです。
正直言って、ここからさらに下がるかどうか、少し自信がなくなってきました。
ユーロ/米ドル 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
一般的に、相場がある方向に向かい始めると、そちらの方向にさらに向かうとみんなが言い出します。
そして、市場の動きをみんなの予想が後追いし始めると、相場がその方向にそれ以上行かなくなってしまうということが、よく見られます。
「下がっている相場を見て、みんなが下がる、下がると言い出すと、そこから下がらなくなることがよくある」ということです。
今回のケースも、これからそうなってしまうかもしれないという危惧を少し感じているのです。
■ユーロに関する本質的な問題は解決していない
ただ、欧州の財政問題が深刻化するようなことになれば、それがさらなる下落のエネルギーとなって、ユーロ/米ドルが一段と下落する状況も生まれてくる可能性はあります。
したがって、ここからは両方のシナリオを頭に描きながら相場を見て行きたいと思います。
シカゴIMM通貨先物のユーロ/米ドルのロングポジション(買い持ち)はかなり減ってきている様子ですので、このことも念頭においてください。
一般的に、相場がある方向に向かい始めると、そちらの方向にさらに向かうとみんなが言い出します。
そして、市場の動きをみんなの予想が後追いし始めると、相場がその方向にそれ以上行かなくなってしまうということが、よく見られます。
「下がっている相場を見て、みんなが下がる、下がると言い出すと、そこから下がらなくなることがよくある」ということです。
今回のケースも、これからそうなってしまうかもしれないという危惧を少し感じているのです。
■ユーロに関する本質的な問題は解決していない
ただ、欧州の財政問題が深刻化するようなことになれば、それがさらなる下落のエネルギーとなって、ユーロ/米ドルが一段と下落する状況も生まれてくる可能性はあります。
したがって、ここからは両方のシナリオを頭に描きながら相場を見て行きたいと思います。
シカゴIMM通貨先物のユーロ/米ドルのロングポジション(買い持ち)はかなり減ってきている様子ですので、このことも念頭においてください。
IMMの「ユーロ」のポジション動向
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
また、アイルランドに対するEU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)の支援策にも注目しておきたいと思います。これがまとまれば、ユーロの上昇要因になってくるので、ある程度は反転するかもしれません。
ただ、それでも本質的な問題が解決したわけではないので、影響は一時的でしょう。
また、アイルランドに対するEU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)の支援策にも注目しておきたいと思います。これがまとまれば、ユーロの上昇要因になってくるので、ある程度は反転するかもしれません。
ただ、それでも本質的な問題が解決したわけではないので、影響は一時的でしょう。
米ドル/円 日足
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