アメリカのCPIはプラス0.8%となり、事前の予想をやや上回った。しかしコア部分は予想通りであり、総じて驚くほどのことはなかった。市場もそれに素直に反応することになって、ドル金利は低下。バイデン大統領がインフレ率の上昇はピークアウトしたとコメントしたのも、それを手伝った。このようなシナリオを待っていたかのように、米国株も上昇。史上最高値に急接近してきた。
私も注目していたドル金利が低下傾向を示したことで、ドル円をショートに振ってみた。私がマーケットをみていたときは113.40位まで下がらなかったので、そのまま113.10で利食いの買い戻し、そして113.80でストップロスをプレースして寝ることにした。夜中のドル円の安値は113.25あたりまでで、ショートはまだ持ったままになっている。
しかしインフレ指標としてのCPIは39年ぶりの高水準だそうだ。ちょうどアメリカがベトナム戦争後に悩まされたスタグフレーションの時期である。当時の対処法はレーガノミクスとしょうして、減税と高金利が政策手段だった。果たして今回はどうなるのか。バイデン大統領の言うようにインフレの時期は過ぎ去ったとみなしていいのかどうか。
今週は経済指標ではPPIや小売売上高などの重要なものがあり、最大のイベントとしてFOMCがひかえている。本来ならばあまり関心を集めるはずではなかった12月FOMCだったのだが、先日の議長再任のときのパウエル発言があまりにも姿勢が変わってしまったために、議事進行はどうなるのものかと注目を集めることになった。
去年は2023年末まで利上げはしないと緩和姿勢を強調していたのだが、今では来年2022年内に3回の利上げがすでに織り込まれてしまっている。「インフレは一時的」という文言を削除しただけでは、市場との対話をちゃんとやっているとは言いがたい。なにか明確なメッセージが求められているところだ。いまさらテイパリングを加速させると言うだけでは物足りない。
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