世界の金融市場が大激震に見舞われている。昨日、10月8日の日経平均は前日比952円安(9.38%安)となり、終値でとうとう1万円を割り込んだ。9.38%安というのは1日の下落率としては史上3番目の大きさだ。このように株は暴落し、為替も非常に大きく動いている。
この状況をどうとらえればいいのか? 今後の見通しはどうなのか? 『ザイFX!』でもおなじみのマット今井さんに話を聞いた。
■ヘッジファンドの解約売りが株の大きな売り圧力に
「今は株安と円高が同時に来ていますが、これは『リスクの縮小』によるもの。今まで買いがたまっていたものが売られて、崩れているということです」
株への投資はリスクあるものへの投資だし、円のような低金利通貨を売って、高金利通貨を買うこともリスクあるものへの投資。それが猛スピードで逆方向に動いている。つまり、株は売ってキャッシュに替え、高金利通貨は売って円に替えるということが起こっているのだ。
「8月と9月に世界中のヘッジファンドが過去に例がないぐらい大きなマイナスを出しました。そうすると投資家が解約しますから、ファンドは持っているものを売らないといけない。それで株を売るという流れが10月に入って起きていると思います。これがもう少し続くでしょう。
そうなると、株には売り圧力がかかりますし、為替は円高方向に向かうというのが基本的な動きになると思います」
■暴落しているのは米ドルではなく、豪ドルだ!
昨日10月8日、ドル/円は3月の暴落以来、久々に100円を割れて、一時98円台をつけるまで下がった。これが大きなニュースとなって騒がれたが…。
「確かにドル/円の100円割れは象徴的な出来事ではありますが、他の通貨ペアと比べれば、相対的に小動きと言えるぐらい。豪ドル/円などはもっとものすごいことになっていますよ」
豪ドル/円は10月6日に81円台から70円台へ急落。1日で10円以上、13%以上も下がった。まさしく”崩落”という表現がふさわしいような下がり方だ。その後も豪ドル/円はさらに激下げしており、最安値63円台をつけるに至っている。


「ドル/円は今までそんなに買われていませんでした。米国経済は前から悪いと言われていて、ドルなんか買えるかという雰囲気があったし、米国の金利は高くないですからね。だから、全体的に円高になっている影響でドル/円も下がっていますが、それほど大きくは崩れていない状況です。
一方、ユーロやポンド、そして豪ドル、ニュージーランドドルといったオセアニア通貨はここ数年間、『これはいい、いい』とお金が集中して入ってきていましたから、そういったものが崩れると大きな下落になるものです」
FXファンにはおなじみと思うが、ここで念のため、各国の政策金利をまとめておこう。
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