米ドル/円急騰!FOMCと日銀会合で米ドル高・円安が進む
米ドル/円がここのところ急騰しています。
その背景には、マーケットの関心がトランプ関税からファンダメンタルズに移ってきていることが挙げられます。

(出所:TradingView)
7月30日(水)に発表された米国の7月ADP雇用統計や、4-6月期GDPの速報値は両方とも市場予想を上回る結果となりました。
まず、これで米ドル高がスタートします。その後、FOMC(米連邦公開市場委員会)が行われましたが、ここでは予想通り政策金利は据え置きとなりました。
会合後の会見において、パウエルFRB議長が「9月の利下げはまだわからない」と慎重な言い方をしたことを受けて、早期利下げ期待が大きく後退し、さらなる米ドル高をもたらしました。

記者会見でパウエル議長は9月利下げについて慎重な見方を示した (C)Bloomberg/Getty Images News
そして、極め付けは日銀の金融政策決定会合でした。
今回は日銀も政策金利を据え置きましたが、これは予想されていました。その後の植田総裁の会見での発言に注目が集まっていましたが、植田総裁は終始慎重な言い回しを続けたことを受けて、9月の利上げを期待していたマーケットに失望感が広がり、一気に円売りが加速しました。
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テクニカル分析でも米ドル/円急騰は説明できる
実は、こうした動きはチャート上でも説明できます。米ドル/円の週足のチャートに一目均衡表とMACDをつけてみていただきたいと思います。

(出所:TradingView)
今年(2025年)に入って前半は米ドル/円は大きく下落し、139円台でダブルボトムを形成しているのが分かります。
その後、下値を切り上げながら、上げトレンドのバンドの形となって、今週(7月28日~)上に突き抜けています。そして、一目均衡表の雲の下限に達しています。
また、MACDを見ると、シグナル、MACDともに下から切り上がってきています。チャート的にも十分説明できる動きだったということです。
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米ドル/円は151円程度で達成感が出ても再上昇の可能性は高い
また、IMM(国際通貨先物市場)の直近のポジションを見ても、依然として10万枚ほどの円ロング(つまり米ドル/円ショート)ポジションが残っている状態でした。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
つまり、ポジション状況からみても、米ドル/円は上がりやすい状態にあったということです。
今後ですが、米ドル/円は151円程度でいったん達成感がでるかもしれません。しかし、その後何かのきっかけで再び上昇する可能性が高いと予想しています。
当面の上値目標値は155円程度としておきます。
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