当方の考えた理由はすでに昨年11月のインタビューにて述べていたので省略するが、ここでは新たにユーロ/ドルのチャートで説明したい。
■ユーロ/ドルのサイクルからユーロ高は2010年まで続く
下のチャートはユーロ/ドルの年足で、99年以前はドイツマルク対ドルの相場をベースに指数化したものだ。
このチャートで見られるように、ユーロ/ドルのメインサイクルは15年サイクルである。昨年11月中旬以降の値動きを反映していないが、基本的にはユーロが12月18日の1.4719まで反騰したのもそのチャートに沿った値動きと解釈できる。
換言すれば、ユーロ高は2010年まで続くと見られる以上、今年の下値は限定され、再度上昇に転じる公算が高い。
この見方が正しければ、ユーロ高がユーロ/円相場におけるユーロ高/円安をもたらす可能性もあるので、ドル/円の円高傾向を制限してくる可能性がある上、ドル/円も一旦リバウンドしてくる公算がある。
■ファンダメンタルズ最悪の英ポンドがいい目安になる
この構造は基本的には他の外貨も同様で、もっとも凋落した英ポンドさえ、対ドルでは1.6あるいはそれ以上の回復が可能だと見ている。そうなると、当然のように、英ポンド/円もそれなりの反発を見せ、ドル/円に影響を及ぼす。
ファンダメンタルズ的には、目下英ポンドにプラスの材料がまったく見当たらないだけに、英ポンドはいいパラメーターとなろう。換言すれば、英ポンドさえ対ドルの反発があれば、ドル全体が下げる構造にあると判断できる。実際、1月23日の安値から英ポンドは反発している。
英ポンド/米ドル 日足

■悪い円買い、いい円買いとは?
従って、クロス円も含め、目下のレベルでの円買いは拙速で、悪い円買いとなる可能性がある。
では、いい円買いとは何か。ずばり、当方の見方が間違ったと市場が証明した際、すなわち円が最近の高値を更新した後の追撃だ。これこそスマートな円買いであろう。なにしろ、それはトレンドフォローとブレイクアウト戦略の実践でもあるからだ。
誤解しないよう言っておきたいが、当方は押し目の円売りを勧めていない。お勧めしているのは高値更新がなければ、円買いを控えることだけだ。相場に臨むのは、買い、売りのほか、休みも立派なストラテジーであることを忘れないでいただきたい。
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