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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

苦しかったユーロ円ロング。
出口を語られることが今一番の恐怖!?

2010年04月15日(木)19:17公開 (2010年04月15日(木)19:17更新)
持田有紀子

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 東京市場がはじまる水曜日の朝、ニューヨーク市場終了後に発表されたインテルの決算は好調で、グローベックスの米国株は高値追いの勢いを見せてスタートした。ドル円は時間足で今年の高値から引いた上値のレジスタンスを越えてきていた。テクニカル的には問答無用にドル円をロングにしなければならないのだが、どうも私はその気になれなかった。しかしリスクテークのムードは、シンガポールの電撃的な自国通貨の切り上げの発表で、さらに強まった。

 欧州市場も好調にはじまり、JPモルガンの決算は良いもので、アメリカの小売売上高の数字まで事前コンセンサスを越えるものだった。万が一悪かった場合には早速ユーロ円ショート!と思っていた私も降参。株高などリスクテークが盛んとなる局面では上がる傾向にあるクロス円をロングにするしかないと、覚悟を決めた。
 米国株は好調にスタートしたが、クロス円の反応も鈍いままで、ユーロ円は127円台前半でウロウロしている。バーナンキ議長の証言で、出口方向への話しが出てくることを恐れているのだろうか。

 バーナンキ議長の証言がはじまった。誰も本気で文言が変わるとは見ているとは思わなかったのだが、予想通りだった。議長は「低金利政策は長期にわたって継続」としか語らなかった。この従来の表現に修正があるかもしれないという向きのドル買いポジションの調整が出てきた。ドル円は92円台後半まで下落。ユーロ円も円の買い戻しにより126.86まで下がってきた。
 原油価格も上値を切り上げてきているし、クロス円、ドル円が落ちた後の戻りも早い。リスクテークということで株価も上昇していくだろうと、ちょっとだけユーロ円を126.98で買ってみた。4月の高値127.93くらいまでは上昇することを期待して、ロスカットレベルは朝の安値付近である126.75に置いた。
 ユーロ円は127円台に乗せてきたが、ベージュブックが出る少し前にはまた127円ちょうど付近まで落ちてきた。ここまでの経済指標を見る限り、良い内容が期待されるからなのかもしれない。トレンドに沿っているはずなのになんだか苦しい。みなも嫌々リスクテークしているのだろうか。私はポジションをクローズした。


 そして本日、なんだかマーケットは重要なイベントを前に先に行ってしまった感じ。
 本日発表になった中国の第1四半期のGDPは11.9%で、市場予想を少し上回っての2ケタ成長。しかし前日のニューヨーク時間にすでにリークされていたためか、出尽くし感のほうが強かった。シンガポールのGDP32.1%といい、世界経済の立ち直りを織り込もうと株価は高値追いを続けているわけだが、実はみんなどこまで好調さを反映して買っていけるのかわからなくなっている気がしている。だからこそ上がるというマーケットの論理で動いている面もある。

 むしろ今の株価の上昇は、インフレ的な要素を株価が織り込んでいるだけではないのかという風にすら見えてしまう。もしそうだとしたら、金融緩和は止めざるを得なくなってくる日も近づき、なかなかリスクテークという側面ではドル円、クロス円を買っていきづらい。

 先ほどスタートした欧州市場では加熱感への警戒ムードが出て、ドル円、クロス円は下落してきた。もともと昨日はユーロ円ショートのつもりだったので、リベンジをかけて昨日のニューヨーク市場での安値を切ってきたところでショートを作り、すでにクローズした。中国が富裕層向けの引き締め措置を取ったこことが材料視されていたようだ。

 今晩は重要な経済イベント、要人発言、企業決算と材料が目白押しである。決算発表はニューヨーク市場が終了してからなので、まずは失業保険とセンチメント調査が重要だと私は見ていた。その時にアクションを起こそうかと思っていたのに、なんだかマーケットは中国の話しで先に動いてしまった。もはやイベントくらいではあまり動かないかもしれない。ニューヨーク市場の終了後に出る決算まで私はお休みにして、レベルによってはドル円かクロス円を拾ってみるのもよいかもと思っている。


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