雇用統計の結果はやはり労働逼迫を表すものとなった。先日のADP調査に見られたように就業者数の大幅な減少はなかった。失業率はいっそうの低下もありと見られていたが、反対に上昇した。問題の賃金上昇率はプラス0.7%となって、事前予想を上回った。
この賃金の上昇がマーケットを引っ張った。そしてドル金利は上昇。ドルの短期金利は一段高し、年内に6回分の利開けを完全に織り込んだ形となった。ドルの長期金利も上昇し、10年ものの利回りは1.90%を越えてきた。
要人発言でも利上げを巡るものが目立っていて、BOEのベイリー総裁は「賃金上昇を抑制しないと、インフレを制御できなくなる」と警告を発し、ポンドの追加利上げを後押ししている。またサマーズ元長官が「年7回の利上げまで覚悟しておかないといけない」とインフレ警戒感を露わにした。
ドル金利に導かれるように、ドル相場が上昇した。ドル円もユーロドルも40~50ポイントほどのドル高で反応。しかし積極的なドル買いはニューヨーク時間のランチタイムまでだった。私も雇用統計の直後からユーロドルを売って持っていたのだが、ほとんど同値で買い戻させられた。もう下がらないものは止めるしかない。ドルのロング攻めは、絶対に利上げしそうにもない対円でやったほうが得策なのか。
さて今週はドル金利の上昇をどの程度までマーケットに消化されていくかが課題である。ドル金利の上昇の割には、米国株などリスク資産はそれほども落ちていない。株価が下がる過程でのクロス円の下落を狙いたいと考えている。ドル円を売るかユーロドルを売るかを選ぶとしたら、ユーロドルのショートがいいように思える。
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