為替マーケットは保ち合いの様相を深めている。ユーロ、英ポンド対ドルのリバウンドは一旦頭打ちとなり、ドル/円も「行って来い」(※)となった。必然的に、クロス円(ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場も総じてレンジ内の変動に留まり、方向感の欠ける展開に。
(編集部注:「行って来い」とは相場がいったん上昇もしくは下落したものの、結局もとの水準に戻ってきてしまうこと)
■ガイトナー長官の発表で相場はどう動いたか?
ファンダメンタルズでは、ガイトナー米財務長官が10日に発表した金融安定化法案が市場の不評を買い、米株式市場を大幅下落させた。案の定、ドルが買われ、ユーロなどが売られた。
同時に、ドル以外の外貨サイドのマイナス材料にも事欠かない。英国では、中銀総裁による利下げ言及や量的緩和論の台頭、豪州では、上院による景気対策法案の拒否、ユーロ圏では、12月鉱工業生産指数の記録的な下げ幅による利下げ観測などが報じられている。
市場ではガイトナー長官の金融安定化法案への悪評が多いが、通貨ペアによってその解釈が違ってくる。
つまり、米金融システムに対する不安が再燃し、リスク回避の動きが起こって、ドルがユーロ、英ポンド、豪ドルに対して上昇しているとの解釈が正当化されている一方、ドル/円では、これをドル売り円買いの要素と解釈している。
米ドルVS世界の通貨 1時間足

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このような解釈は基本的には昨年起こった米リーマン・ショック以降の相場の構図を踏襲したものだが、疑問符がつく。
■同じ材料でも市況に合わせ、どうにでも解釈可能
具体的には、英国のゼロ金利や量的緩和の可能性はだいぶ前から論議されており、EUの景気悪化も当然視されていた。従って、このような事実が出たとしても、目下の相場にはすでに織り込まれていたのではないかと。
なにしろ、相場には「ウワサ」に反応して「先走り」、「事実」が出たら「逆戻り」する習性がある。しかも、リーマン・ショック以来、相場はすでに同じ構図によって半年近く繰り返されており、これがこのまま変わらず、継続していくとは考えにくい。
このような解釈は基本的には昨年起こった米リーマン・ショック以降の相場の構図を踏襲したものだが、疑問符がつく。
■同じ材料でも市況に合わせ、どうにでも解釈可能
具体的には、英国のゼロ金利や量的緩和の可能性はだいぶ前から論議されており、EUの景気悪化も当然視されていた。従って、このような事実が出たとしても、目下の相場にはすでに織り込まれていたのではないかと。
なにしろ、相場には「ウワサ」に反応して「先走り」、「事実」が出たら「逆戻り」する習性がある。しかも、リーマン・ショック以来、相場はすでに同じ構図によって半年近く繰り返されており、これがこのまま変わらず、継続していくとは考えにくい。
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