ウクライナの侵攻が始まったということで、昨日のアジア時間は大きくリスクオフが進んだ。とくに欧州序盤にかけては映像も伝わってきて、それが市場のリスク許容度を激減させた。欧州株の「下落に伴い、グローベックスでの米国株も急落。そして日経先物も25540円まで差し込んだ。いうまでもなくいずれも年初来の安値圏である。
しかしニューヨーク時間ではバイデン政権からの追加制裁の内容も出てきて、それが市場の恐れていたようなものではなかったことで、これまで押さえ込んでいた大型株への資金回帰が起こった。
そもそも過去20年間ほどの地政学的リスクの高まりにおいては、一時的にはリスク回避とはなるものの、結果としては株価上昇の端緒となっている。株を買いたくて仕方のない人びとの買い意欲を誘ったものだとも言える。
ドル相場もよく上昇した。欧州序盤にかけてドル円は114円台のミドルだったものが、ニューヨーク序盤に至るまでで1円は上昇した。またユーロドルも1.11割れしそうなところまでドル買いが進んだ。ニューヨークの終盤にかけては株価上昇のためのリスクオンでクロス円が買われたこともあり、ユーロドルは反発した。
確かにユーロドルの1.11台は売りやすかった。私も何度も1.11台でショートにしては買い戻した。しかし1.12台を見るにあたり、ユーロ売りはとりあえず効かないものと思って諦めた次第である。
さて週末を控えての紛争のリスクが再燃しそうだ。昨日のリスクの巻き戻しは一時的なものと考えて構えないといけないだろう。これでキエフの空港が制圧されたとかニュースが流れると、事態はそれほども変わっていなくてもリスク回避に傾くだろう。
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