ウクライナ問題で停戦交渉は長引いているものの、ウクライナ大統領がNATO加盟を断念するなど歩み寄りの姿勢を見せ始めていることなどから、マーケットは楽観的な態度に傾いた。何よりも原油相場が92ドル台まで沈んできたのが裏付けとなって、リスクテークの背中を押した格好となった。ニューヨーク市場は序盤から大きく値を上げて始まったが、そうした流れは終わりまで継続した。
翌日にはFOMCを控えているので、もはやウクライナ騒動を加味していないPPIには何の影響もなかった。ドイツやアメリカの景況感指数は大幅に下がってきたが、これとてもある程度までは想定の範囲内だった。ドルの金利は短期も長期もピンピンに上がったところで利上げモードに入っていくことになる。
さて今晩はFOMCの結果発表である。市場のコンセンサスとして25ベーシスの利上げは完全に織り込まれている。これは先日のパウエル議長が数字を出して示したからだ。しかし これは提言するとしているだけであり、依然として50ベーシスの利上げの可能性も、ほんのわずかだが残されている。他の多くのメンバーが50ベーシスの利上げを主張したら、それには逆らうだけの正当性が足りないからである。
もう一つの注目点は今後の利上げペースであろう。短期金利の市場では今後1年間に8回分の利上げを織り込んでしまっているので、それを織り込むことができているのかどうか。ウクライナの紛争の長引きが、どれくらい利上げバイアスを押さえ込むことができるのか、などなど。
25ベーシスか50ベーシスかというところだが、もしも25ベーシスだけだったらドルを売って見ようかと思っている。いったんは激しい調整を強いられることになりそうだからだ。
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