IMFが世界の経済見通しを大幅に下方修正した。もちろんウクライナ紛争によるロシア関連の貿易収縮によるものだ。しかしこの報告は株価を直撃することはなかった。むしろ経済の停滞が石油の需要を低下させるとの思惑から原油価格が急落となって、株価は大反発となった。ウクライナで武力衝突が激化しているというのに、米国株は大幅上昇することになった。
為替相場では円売りの流れは変わらず。いまとなっては早朝のセッションでひと踏みするのがパターンとなっている。昨日もドル円は朝から踏み上がって東京オープン前に127円台に乗せてきた。
アジア時間ではドル高で推移していたのだが、欧州時間になると今度は純粋な円売りになってきた。ユーロ円の上げがとても激しく、ユーロドルも上がってきたのだ。ニューヨーク時間でもドル円は堅調なままで、128円台の後半で高値引け。
今日も朝のセッションで高値攻め。129円台に乗せてきた。129.40あたりまで上がって、その後は利食い売りに押されている。こうなってくると日本の金融当局の無策ぶりが目立ってくる。利上げの幅をどうするかで意見が様々なアメリカに対して、いまだに企業支援のため低金利に拘っている日銀。
あれだけ「何でもする」といって金融緩和に意固地になっていたECBですらも、かなり金融引き締めに前向きになっているのだ。日銀の総裁の任期が残り1年を割り込んできて、レームダック化しているのも事実だろう。しかしこのままでは金利を一度も変更したことがない総裁になってしまう。
総理大臣になったら一度は解散を打ってみたいと考えるように、日銀総裁だったら任期中に金利を動かしてみたいはずである。あと1年も我慢しなければいけないのだろうか。もしもそうならば、円安相場は簡単にピークアウトはしないだろう。
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